『303 勇者パーティー』
『303 勇者パーティー』
「ふふふふふ、クランクさあ、俺は大賢だぜ。その点は考えてあるさ。つまりはロメーロと同じ道を行かなければいい。いっけんすると遠回りだが、樹木は邪魔しないから近い道がある。そこに向かう。そうすれば早く到着だ」
「やるね、さすが俺達の賢者だ。頭脳が明晰だ」
「落とし穴は、単なる初級の罠だわね。こっちが本当の罠なわけね。見直したわ」
「ハニーさ、俺が好きになったのかい。わかるよその気持ち。俺は天才剣賢者。ロメーロなど相手ではない」
ボーデンはハニーに自慢するように説明する。
世界で最高の頭脳とまで思っている。
ハニーが自分に惚れているとさえ思う。
ハニーはというと、落とし穴にはがっかりだった。
だからこの樹木で妨害する策は、完璧だと思った。
間違いなく成功すると。
そこでボーデンが説明したのを実行して、遠回りの道を進む。
ロメーロが進んだ道とは違う道だった。
その道は樹木はあるが、決して通れない道ではなかった。
賢者の魔法の効果が届いていない場所だった。
オリオンは勝ちを確信する。
「ボーデンの魔法がない方に行けばいい。あはははははは、これで俺たちの勝ちだあああ」
「勝ちだああああ、勇者パーティー最高おおお!」
「やっぱり勇者パーティーと来て良かったぜ!」
冒険者もオリオンに続けて喜ぶ。
もう報酬をもらったも同然だった気分になった。
高額の報酬がもらえると気分は最高点になった。
「あれ、なんだ、これは、樹木が伸びていくような?」
「どうしたクランク?」
「変だな。樹木が伸びているぜ」
クランクは最初に異常に気づく。
オリオンはまだ気づいていない。
「伸びているだと。あはははははは、何を言っているのだ、伸びるわけないだろう。錯覚だよ。あれ、あれ、俺の足元の草や木が成長していくぞ!」
「ボーデンどうなっているのよ。あなたが魔法をしたの?」
「魔法はしていない。自然ではない、この伸び方は! 何者かが樹木を急激に成長させている。しかも信じられない勢いでだ!」
「うわああああああああ、樹木に持っていかれるわあああああああああ」
「ハニー!!!」
ハニーは急成長する樹木に引っ張られる。
オリオンの遥か頭上に持っていかれた。
「あわあああああああああ、俺もだあああああ、なぜこうなるんだ、ちくしょう!」
「ぐああああああああああああ、なんなんだこの樹木はああああああ!」
オリオンもハニーと同じく持っていかれた。
クランクと賢者ボーデンもすぐ後に。
そして20人の冒険者も全員が地上から見えないくらいの高さにいた。
絶叫したのはおなじだった。




