『008』
『008』
森をけっこう進んだ。
方角はエニシャルがわかっているので、それを信じて進む。
アスカが俺の前を進んでいた。
その時だった。
アスカが歩いていた時に起きた。
「きゃああああああああああ、地面が! 地面が落ちる!」
「アスカ!」
「アスカが落ちた、わあああ地面が落ちます。穴です。大きな穴がありました!」
「おおおおお、なんだこれは地面が」
アスカが最初に地面に落ちると、地面はアスカだけでなくリアンとエニシャルも、そして俺の足元の地面も落ちた。
こんなのあるか?
自然の現象なのかわからないが落下した。
「ロメーロ、落下して穴に落ちたみたいよ」
「穴にしては、大きな穴だな」
「自然にできた穴ではなさそう。掘ったあとが残っているもの。誰かが穴を掘って落とし穴としていた。それに気づかずに私が踏んでしまい落ちたんだわ」
アスカが人為的な跡と言った。
よく見ると掘った跡はあった。
道具で掘ったような跡だった。
「道具で掘っているな。誰だろうか。魔物を取る罠かな」
「そうかもしれない。またはロメーロ達を落とす為に作った罠」
「エニシャル、それはどういうことかな?」
「オリオンよ。彼らは今日ではなくて、何日か前に教皇から呼ばれていたの。ロメーロが来るのを聞いていたら、この森に罠を仕掛けるのも可能です。あのオリオンの態度を見たら、罠をするのもある」
「1日あれば、人の手で掘れるな。それに他にも穴はあるかもだ」
冒険者が魔物ように作った罠かと考えていたが、エニシャルに話ではオリオン説もあり得た。
オリオンならやりかねないな。
手が込んでいるが、落とし穴など子供だましである。
「特に驚くことはないよ。だってさ、穴は深くないもの。登っていけば地上に出れますよ。簡単にできそうです」
「そうね、登れるわ。オリオンが作ったとしたら、大失策です。オリオンらしい大失策」
「ロメーロ様、登ってみます」
アスカが最初に穴から出るため、周りの壁を登っていく。
「ああああ、あら~~~落ちる」
「落ちた。どうして?」
「登れませせん。どうしても落ちてしまします」
アスカは何ども挑戦するも失敗に終わる。
リアンとエニシャルも登ってみると、同じく失敗で登れなかった。
何か細工があるのか?
「単なる落とし穴じゃないです。魔法で登れなくしてある。私が登ると、反応して落ちるからわかった」




