『31』
『31』
死ねないグールマスターに、剣を振り下ろし切る。
これでも体力はゼロにはなりないため、生きている。
苦しむ為に使用したが、本来は死にそうな時や、回復薬が無い時に無駄に体力を減らさない為の応急措置的なスキル。
それをグールマスターにしたのは直ぐには殺さないために利用したのだったが、グールマスターはかなり苦しそうだった。
なぜこんな面倒な殺し方を選んだかというと、アスカ皇女にした苦しみを味あわせるためだ。
まだ味わえ、アスカはもっと苦しんだのだのだからな。
神に代わって俺が与えてやろう。
「体力はゼロにならないのだ。もう一度切るぞ!」
バシッ!
「痛いいいいいいいいいいいいいい!」
「まだ生きているな。大丈夫だ。まだ死なないからな。だから切る」
バシッ!
「痛いいよよよよよおおおおおおおおおおお、頼む、頼む、止めてくれえええ、もういい、もういい、死なせてほしい、痛い痛い、死にたい、他飲むロメーロ!」
「ダメダメ、生きて老けたくないのだろ、だったらまだ生かしてやる。これでどうだ!」
バシッ!
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い、お前は悪魔か、魔王か、非道だ、酷い、酷い、こんな人族おかしいだろ、魔族でもこんなことしないぞ!」
「ありがとうグール、そしたら、一定時間終わりだ。最後に死ね」
バシッ!
今度こそ最後の剣だ。
見苦しいので、あっさりと切った。
「うわああああああ、痛い、やっと死ねるのね。やっと死ねるのね、あら、死んだら終わりだよね」
「そうだ、終わりだ。お疲れ様グール」
最後にかけた言葉がグールマスターに聞こえたかはわからないが、本当に死んだのは間違いないだろう。
もう次はないよな。
まだ他にも生き帰るとかの魔法をしてきそうで、死んだかどうか気になる。
でも本当にしんだようで、グールマスターの壮絶な死に、エルフのアスカ皇女は、
「ちょっとやりすぎでは?」
「そうかな、俺はアスカ皇女を助けたくてやったのだ。まあいい、ダンジョンを出よう」
「はい」




