『009』
『009』
「これがサンダードラゴンかよ、えげつない強さだ」
「ふふっふふふ、勇者パーティーの言葉かよ。ふふっふふふ、この俺に勝てないなら、魔王軍将軍にも勝てないぞ。イフリートスやオークキングがカイザール国に来ているのだ。カイザール国は楽に滅んでいるな。俺もエピック国を落とすか」
「うううう、サンダードラゴンめ」
オリオンは回復魔法で少しは話せるくらいには回復した。
しかしとても戦えるまでにはなっていない。
閉鎖しにきて、この状態では俺が来なかったら終わっていたな。
「サンダードラゴンをこの鉱山に閉鎖しようとしたのはいい。しかし俺はお前らが考えるよりも強かったのだ。くらえ雷竜、これで全滅だ」
「そうはいかないな」
バアアアアアアアアン!
雷竜がオリオン達に落ちる瞬間に俺が防御した。
防御は魔王防御によって行う。
守られたのでオリオン達は無傷であった。
「あああああああ! 雷が来るぞ! あれ、なんだ、何も起きない?」
「これは、ロメーロか? ロメーロが防御したのか?」
「雷竜は俺が防御した。ダメージは受けない。俺がいるうちに早く撤退しろ」
「どうやって防御したんだ。あの役立たずが?」
「器用富豪スキルだ」
「器用貧乏だったろう?」
「ある時に器用富豪スキルに進化した。だから役立たずではない。下がるんだ」
「ふふっふふふ、雷竜を防ぐとは驚いた。お前も勇者か?」
サンダードラゴンが勇者扱いしてきて困った。
最近よく間違えられるな。
強いと誰でも勇者だと思う。
勇者が強いのは魔族には浸透しているらしい。
「勇者とは違うな。間違えては困るからいっておく」
「何者だ。ロメーロとか言われているな。ロメーロが強いのは今ので判断できた。サンダードラゴンが居る限り鉱山からは出れないぞ、ふふっふふふ」
「俺と戦って勝てた魔物もいないけどな。ちなみに俺はイフリートスもオークキングも討伐したし、あとグリフォンもか」
「なんだと!! グリフォンも! あははははっははははは、こいつは大ウソつきだ。最高に嘘が上手いな。サンダードラゴンは嘘には騙されないぞ。なぜならカイザール国には今頃イフリートスが行っている。もうカイザール国は手遅れだ。ふふっふふふ」
「いや、もう死んでいるよ。俺が討伐したからな。グリフォンは生きているか。あれはエルフ国に預けた。エルフ国王が厳重に牢獄しているさ。それと昨日はサハギドンとかいう半魚人の魔物も討伐した」
これだけ言えば信じるかな。




