『002』
『002』
川にもAランク級の魔物がいたばかりだ。
カイザール国にはグールマスターからイフリートスまでいたので、このエピック国にも魔王の配下の魔物がいても何ら不思議はない。
「俺達が探索します」
「行くなら私も行こう」
「誰?」
鍛冶師フーシフォンと会話中に女性の声がした。
私もと言うので鉱山を知っている女性か?
リアンが聞いたらその女は、
「私はブルレスカ。鉱山は仕事がら良く知っているんでね」
「彼女はブルレスカで、ドワーフ族の女だ。ブルレスカは鉱山で鉱石を採掘してくれる。それを私ら鍛冶師が鍛冶の作業をしているので、彼女にはお世話になっている」
ブルレスカはドワーフ族で採掘が仕事らしい。
しかし採掘もできないのなら大変だろう。
「魔物が出るなら採掘はできていないということか」
「そうよ、とても強い魔物が出てきて冒険者も逃げてしまった。魔物はドラゴンだった。ドラゴンは竜種で最強種の魔物だ。Aランク冒険者とかじゃないと勝てない。けどAランク冒険者は集まらなくて、もうドワーフ族は鉱山には入れていないんだ。ロメーロと言ったな、あなたはドラゴンと戦って勝てるのかい?」
「ドラゴンか。戦ったことはないけど、俺が行くしかなさそうだな」
ブルレスカはドラゴンが出ると教えてくれた。
ドラゴンは魔物でも強い系統である。
オリオンと一緒に冒険した際に、補助したことはあるが、俺が直接戦闘はなかった。
「ロメーロがドラゴンと戦闘するとして、なんでドラゴンが突然に現れたのかしら」
「リアンの言うのは俺も不思議だ」
「まだ理由はわかってません。しかし鉱山はもうドラゴンがいて誰も入ってません」
「ブルレスカは俺と来てくれ。鉱山について色々と教えて欲しい。詳しいのだから」
「ドラゴンとは戦いはしたくはないけど」
「大丈夫よ、戦うのはロメーロだけです。この人は実は強いですから。最近だと川を汚染したサハギドンも討伐したばかりです」
「えええ? あの川を復元したとして有名な冒険者さんか。話は鍛冶師の間でも広まっていたし、今話していたところだった」
「ドワーフ族の間でも広まっている。川の魔物を討伐したと。勇者パーティーでも討伐できなかったのを討伐した人だと。それがあなたか。ドワーフ族からもお願いする」
リアンがさりげなく俺の話をしたところ、広まっているとして鍛冶師のフーシフォンとドワーフ族のブルレスカは俺の名前を知っていたのだった。
つい昨日のことだが。
そんな短期間で広まっているのに驚いた。




