『265』
『265』
「あああああああ! ダンの農地は完全に元の状態だ。農地が再生したんだ。すげえええ、ロメーロの力だ。ロメーロが与えてくれた力で農地を掘ると農地が再生するんだ!」
「僕も掘るぞ!」
「わしの農地もまたコメが取れるぞ、掘るぞ!」
「ロメーロ、見てくれ、農地が戻った! これはキミの力かい?」
「俺が与えた力だ。今後は農地を再生して農業を復活するのを頑張ってくれ。俺は応援する」
「ありがとう!」
「ありがとうロメーロ、感謝しきれない!」
「神だ。ロメーロは神の力を持っている!」
「いや、それは言い過ぎだよ」
「神様と呼ばれるくらいにロメーロ様の力が圧倒的なのですよ。私も驚きました。広大な土地の汚染された農地が、一瞬で変わった。奇跡としか言いようがないです」
「俺は農民が喜んでくれるなら、常時発動させる」
「それって、ずっと農民に器用富豪スキルを与えた続けるのよね。ロメーロには負担になるのでしょ」
「負担にはなる。けど農民が喜ぶ姿を見れば、負担も吹っ飛ぶさ」
「な、な、な、な、なんだこれ! 信じられない。魔法の文献にもスキルの文献にも載っていないものだ。どうやったらこんなことができるのか。王国図書館の歴史を覆す力だ」
「わかったら、器用富豪スキルを信じることだなボーデン。ボーデンは大賢者として王国図書館の本をすべて読破したのだろう。器用富豪スキルのことも図書館に記載することだな」
「ボーデン、こいつの言うことを信じるなよ、何か仕掛けがあるんだ。きっと事前に何かしらの仕掛けを農地に仕込んでいたんだ。それでまるで神がしたかのように見せた。ロメーロらしいあくどい作業だ」
「オリオンは意地でも俺を信じないな」
ボーデンは驚くもオリオンは、全く信じなかった。
それどころか俺がインチキをしていると言い出すくらいだった。
あきれを通りこしてしまう。
「でもね、農地が戻っても、肝心の川の水は汚染されたままだ。これでは直ぐに元の汚染された農地に戻るよな。だって農地の水は全部川から取っているから」
「そうだな、残念だな。せっかくロメーロが力をくれても意味ないかもな」
「ロメーロ、農民ががっかりしています。川の水が汚染されたままだからです」
「川の水か。わかった、次は川を元に戻す。ダンには協力してもらう」
「えええ? 川を?」
川の水質が問題となったので、次は水質も器用富豪スキルを使うとする。




