『259』
『259』
「魔王城ではグリフォン、イフリートスは将軍の立場であり、魔族の英雄。あのお方を数日で討伐したなんて信じられないケケケケ」
「信じられないなら、近くの魔族に聞いてみろ。知っているのもいるはずだが、それはできない。俺に殺されるからだ」
これで怖がってあきらめるかな。
許してと言ってくるのもある。
まあ、謝る魔物なら、知能は高いと言えるな。
謝っても生かす事はないが。
「ケケケケ、こいつは驚いた話を聞いた。イフリートスとグリフォンは魔族でも最強の将軍だった。しかし俺からしたら、いい話だケケケケ」
「いい話?」
「ケケケケ、そうだよ。いい話だ。なぜなら俺も魔王軍の将軍を狙っている。その将軍の椅子は数が決まっているのだ。グリフォンとイフリートスは将軍だったので、死んだのなら2つ椅子が空くのだ。そこは俺が座るチャンスだケケケケ」
つまりは同じ魔族でも邪魔なのが消えて嬉しいということが言いたいようだ。
魔族らしい考えだな。
仲間が死んで喜ぶのは人族ではない発想だった。
自己中の極みだな。
魔族に生まれなくて良かったと思う。
サハギドンはイフリートスやグリフォンに従っていたのだろうが、いつかはその座席を奪ってやるとしていたのが伝わった。
しかし俺から判断させてもらうとサハギドンでは荷が重い。
レベル733は凄い。
Aランク級の魔物として申し分はないと言える。
けど将軍という座席としては物足りないか。
イフリートスのレベルは1534だった。
グリフォンはレベル1633だったか。
両者とも1500を超える化け物だった。
あの2人と比較するとサハギドンのレベル733は弱いよな。
とても将軍レベルには及ばないと思うが、サハギドンは将軍希望らしい。
「あああ、じゃあ何か、将軍の座を狙っているとして、エピック国を支配するのを魔王の手見上げにする気かな」
「魔王様に俺がエピック国を支配したのを伝えれば、将軍は確実。ケケケケ、俺の夢だった将軍だ」
本当にこの状況で良く言えると関心した。
「もう両腕と足も切られているのにか。まだ俺に勝てると?」
「勝てるケケケケ、まだ俺に勝ったと思ったか。それならロメーロの頭はお花畑だケケケケ」
「何だって、俺がお花畑だと?」
何を言ってるのか。
お前の方がよっぽどお花畑だろうと言いたいが。
それとも何か隠しているのか。
「こうする。激流ケケケケ」
「なにを?」
激流スキルを使った。
強力な攻撃魔法であるが、それを攻撃ではなくて自分に使ったのだった。
激流を作り出してサハギドンの体を上流へと運んで行った。
なんだよ、どんな作戦で攻撃してくるかと思ったら逃げる作戦だった。
「ケケケケ、俺には追いつけない。今は倒せないが、次は必ず倒して将軍になるケケケケ」




