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『257』

『257』


 それなのに俺に攻撃を要求してきたのは仕方ないなと思う。

 剣を構えると、サハギドンに振った。

 本気ではないけど、当たればいいという感じだ。


「グギャアアアアアアアア!」


「剣の攻撃だが、どうだ?」


 腕を切った。


「ギェエエエエ、腕がもう使えない。一回切られただけでこのダメージか」


「こんどはどうかな」


 腕と足を切る。


「ギェエエエエエエエエエエ、腕と足がガアアアアア。なんて強い剣術だ。嘘だったな。勇者じゃないとか油断させたな。ロメーロが本物の勇者だ」


「俺は勇者じゃないと言っているけど信じてもらえないか。オリオンが勇者だよ」


 ダメージは相当なものだった。

 サハギドンはすでに攻撃はできないくらいの状態になっていた。

 レベル733のAランク級の魔物だったが、イフリートスやグリフォンと比較すると弱く感じた。


「嘘だ嘘だ、オリオンは、こんな弱い勇者がいるかよ。超弱小だったぞ。BランクかCランク程度だ」


「うるせえええええええ、さっきから俺を勇者だとか、勇者じゃないとか言いやがって、ゲボゲボ、俺が本物の勇者オリオンだ。サハギドンに言っておく、ゲボゲボ」


「これで? 激流が一撃で負けたのに勇者のわけない。魔族では勇者は恐れらる存在だ。魔族を滅ぼす程の強さがあると聞く。伝説の勇者は魔王様も倒している。だから王都を支配するのに、いきなりは攻撃しなかった。勇者パーティーがエピック国にはいる。あの伝説の意思を継いだ勇者が。そこで先ずは川を汚染し農地をダメにした。そうすれば農作物は収穫できない。食料がなければ人族は生きてはいけないだろう。食料をなくしてから、ゆっくりとエピック国を支配してやる計画だったのだ」


「だが俺が来たからには、その計画は無効になる。今なら許すぞサハギドン。川の水質を元に戻せ」


 サハギドンが俺のことを理解するなら、ここで戦いは止めるはずだ。

 そのチャンスを与えた。

 はたしてサハギドンは何て答えるかな。


「ケケケケ、降参しろというのか。ケケケケ、するわけないだろう。計画は必ず実行する。成功したら魔王様から評価される。将軍にもなれる」


「無理だな。魔王には会えない。ここで死ぬからだ」


「ギャアアアアアアアアアア」


 剣でまた切った。

 サハギドンの体は流血した。


「何て強さだ。事前の情報と違い過ぎる。聞いていたのはエピック国の勇者はパーティーはとても強い。勇者、大賢者のボーデン、クランク、僧侶ハニー、大神官リアン。どれもがSランク級の強さを持つという情報だった。それがどうしてか、勇者パーティーは最弱、偽者かと思う程に弱い。逆に勇者パーティーではないロメーロが異常な強さ。情報を訂正して魔王城に報告しなければならない」

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