『254』
『254』
「ロメーロ、水中からサハギンが出た!」
「いやあれはサハギドンだ。サハギンよりも遥かに強い」
「サハギンのレベルは66だったかな」
「サハギドンのレベルは66よりも上の733だ」
「げっ、733! 強い!」
「危険です。オリオンは倒せるの?」
「無理だな。死ぬだろう」
リアンは絶句する。
リアンの絶句があっても、水での戦いはすでに開始されていた。
クランクは一撃で瀕死状態となった。
「ケケケケ、俺はサハギドンだ。子分のサハギンをよくも殺してくれたな。この仕返しはするぞ」
「俺は勇者オリオンだ。サハギンのボスか。俺が倒してやるよ。王都を支配する考えは実行させない」
「ケケケケ、勇者だと? 本当に勇者なのか。エピック国を支配するのが目的。勇者も王都にいると聞いていた。ケケケケ、ちょうどいい、この場で水中に埋めてやる。このサハギドンが。激流!」
「なんだ、あわあああああああ!」
サハギドンが何かしらのスキルを使った。
激流と言っていた。
川の水がオリオンに向かって行く。
もの凄い勢いと水流であった。
オリオンは耐え切れなくなり、水流に飲まれてしまった。
「オリオン、ぎゃあああああああああ!!!」
「ボーデン!!」
大賢者のボーデンも、オリオンに続いて水中に埋もれてしまう。
川は大洪水みたいになっていた。
「ロメーロ様、もの凄いスキルです。オリオン達3人が相手にならないです!」
「強さが違いすぎるな。Aランク級の魔物だけはある。オリオン達には荷が重すぎる」
戦ったら直ぐに戦力差が出る。
スキルの差がありすぎた。
オリオンでは耐えられるスキルではないのがわかった。
俺が行くしか、彼らが助かる道はなさそうだ。
「助けにいくしかないわよ。でもオリオンは自分でやると言い切った」
「リアンの言う通りだ。しかし行かないと死ぬな」
「そうね、さすがに相手が危険すぎます。ロメーロしか戦えない相手です」
「ロメーロ様、サハギドンを倒してください。農民を守るにはそれしかないです」
「わかった。アスカとリアンはここに居てくれ」
「はい」
アスカとリアンを残して、俺だけサハギドンの方に向かった。
初めから俺が川の調査をしていたら良かったのだがと思う。
こうして俺が行くことになるのなら、オリオンは自分から痛い目にあいに行ったのと同じだな。
サハギドンの前に行く。




