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『247 勇者パーティー』

『247 勇者パーティー』


 オリオンはギルドで勝利に浸っている。

 本当はサハギン35匹はアスカとリアンの活躍での討伐だった。

 それを自分たちの成果にした。

 依頼を失敗し続けてきたので、今回だけはどうしても成功したかったのだ。 

 追い込まれていたオリオンは、ロメーロの成果にはしたくなかった。

 そこでロメーロは活躍していないとした。


「ふふふふ、ロメーロめ、俺の言うことに全部従ったな。こんなもんさ。ロメーロは俺が怖いのさ。だから俺には逆らえないんだよ」


「ああ、その通りだ。イフリートスを討伐したとかいう話はあるが、それは偶然だろう。破滅の団には逆らえないとわかった。それに報酬も入った。ギルドの信頼も元に戻る」


 大賢者ボーデンは、オリオンのやり方には疑問もあったが、依頼達成には賛成だった。

 失敗し続けていたので、成功が必要だった。

 どんな形でもいいから成功したかったのだ。


「報酬も入ったし、久しぶりに豪華な食事にしようよ!」


「ハニーめ、食い意地があるな。まあいいか、これからも報酬ははいるのだしな」


 ハニーは最近は報酬がなくて食事は貧しかったので、今日はご馳走が食べたいと言った。




 オリオン達はギルドを出て、豪勢に食事を楽しんだ。

 報酬を使い切るくらいに使った。

 酒も飲んでいた。


「あはははははは、今頃はロメーロは後悔しているさ」


「あはははははは、ロメーロ最高、ロメーロありがとう」


「でも疑問もあるよ」


「どうしたクランク、何かあったか?」


「ロメーロがエルフの女とリアンにスキルをした。すると2人は強力な力を持って、サハギン29匹を討伐した。あれはなんだったのか。ロメーロが2人与えたとしたら、ロメーロのスキルは恐ろしいスキルだと思う」


 クランクはロメーロのスキルを警戒した。

 リアンの能力はずっと一緒にいたから知っていた。

 そのうえでリアンの強さが異常だったと思う。


「確かにリアンの強さは以前のリアンの強さとはケタ外れの強さだったな」


「あれがロメーロのスキルなのか。器用貧乏はもっと貧弱なスキルだろう。それがあれだけ強いのは変だ」


「もしや、リアンはそれを知っていた。ロメーロのスキルの正体を。知らないのは俺達だけだというのか」


 オリオンはロメーロのスキルについて考察した。

 2人の強いのは間違いなかった。

 オリオン達が大苦戦した大量のサハギンを、圧倒的に倒したのを見た。

 凄まじい戦いぶりだった。

 ロメーロのスキルが影響しているなると、ロメーロのスキルは要注意だった。


「ロメーロのスキルが、リアンが言うように私達にもしていたとしたら。ロメーロが破滅の団にいた時に私達に同じようにしていたなら、私達の強さはロメーロの与えた力だったとなるわよ」


「そんなわけねえ。俺達は自分たちの実力で勇者パーティーになった。ロメーロの影響は認めない」


 オリオンは否定した。

 しかしロメーロの影響も否定できないとも考える。


「もしロメーロのおかげであったなら説明がつく。ロメーロを追放した直後に私達は弱くなった。急に上級スキルや上級魔法が使えなくなったのと一致する」


「やめろハニー。それ以上は言うな。ロメーロを追放したからではない。関係ない!」


「でも」


 ハニーはオリオンに怒られる。

 オリオンによって強くなっていたというのはリアンはわかっていて出て行った。

 そのことにハニーは少しずつ気づいていったのだが、それをオリオンに止められた。

 オリオンからしたらロメーロを追放したのと、自分が弱くなっている時期が重なっているのを指摘されたようであったからハニーを怒ったのだった。

 オリオンはどうしてもロメーロのスキルで自分が強くなっているのは認めたくなかった。

 

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― 新着の感想 ―
[一言] でも認めないと、無茶な依頼出されて、本当に死んじまうよ? ロメーロが悔しがってる?そんな訳ないじゃん。どちらかと言うと、オリオン達の方が譲ってもらったんだから。 ロメーロはさ、オリオンの…
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