『245』
『245』
「あはははははは、破滅の団がサハギンを討伐した」
「待ってください。そのサハギンが川の水質に影響を与えていたのですか。依頼はあくまで」
ここは重要な点だ。
依頼の目的は農地に悪影響を及ぼす川の水質を調べること。
これが達成して初めて依頼の報酬は支払いがある。
受付嬢はオリオンに聞いた。
「原因はサハギンだったさ。俺がサハギンから確認した。サハギンが言うには、エピック国の農地を悪化させることで王都を弱体化させる。その後にエピック国を支配するのが目的だったと言った。サハギンを討伐して全滅させたので、水質は良くなるだろう」
「本当ですかその話は。サハギンが原因で水質が良くなるとわかれば、依頼は達成です。ありがとうございます」
受付嬢はオリオンの説明に安心した。
川の水は戻るのは王都の食料にも影響していたからだろう。
食料が減れば、町の人は困る。
食べれなくなる人が出ると国は大変になるので、依頼の達成は評価される。
それにしてもオリオンは全部破滅の団の報酬にするようだな。
俺達は何もしてないとなるな。
オリオンらしいやり方だな。
そこまでするか。
「破滅の団が全て戦い、依頼は遂行したのだ。あはははははは」
「それではロメーロ達は何もしてのですか。私としてはロメーロが討伐してくれると期待していた」
「ロメーロとアスカとリアンは討伐には何も努力はしてない。俺たちだけで討伐した。よって依頼の成果は破滅の団だけにある。報酬もだ」
「よろしいのですね、ロメーロは?」
「はい、それでいいです」
俺はオリオンのめちゃくちゃな論理には反論しなかった。
反論するのはできたけど、オリオンと激論するのが苦痛だった。
報酬は別に要らないのはいいが、オリオンが素直になってくれるといいと思う。
それがオリオンが成長できることに繋がる。
「では破滅の団にはサハギン35匹を討伐した魔石と素材の報酬を出します」
「よろしく」
報酬を破滅の団で独占する。
オリオンが俺を見てきて、
「ロメーロはイフリートスを討伐したらしいな。しかし今回は破滅の団の前に何もできなかったのはなぜかな。それは簡単だ。破滅の団が最強だからだ。俺がイフリートスを討伐できたけどしなかったから、ロメーロが討伐したに過ぎない。俺たちが本気を出せば、サハギン35匹の討伐は達成できるのさ。王都の農民はこのオリオンと破滅の団が救った。冒険者達よ、よく覚えておけ。農民を救ったのが俺だとな」
オリオンはギルドにいる冒険者達に向かって叫んだ。




