『235』
『235』
「これで最強と言われる勇者?」
「はい」
「最強の賢者なの?」
「最強とされている。実際はこの通りです。とても最強とは言えないのはアスカも感じたでしょ」
「この程度の強さの冒険者ならエルフ国には多くいますけど」
アスカは率直な感想を言う。
そこらに多くいる冒険者程度だと。
俺も否定はしない。
しかしオリオンは勇者オリオンだと自慢するので、アスカは疑問に思ったのだ。
「あはははははは、サハギンを5匹討伐したぞ!」
「見たかロメーロ。これが最強の勇者パーティーだと恐れただろ!」
「討伐は見事だった」
俺は自慢してくるオリオンに合わせる。
変に否定すると面倒そうだったから。
それに5匹は討伐されていて、水中に浮いていいた。
レベル66くらいの魔物なので討伐して当然なのだが、オリオンは高笑いする。
「この勢いでサハギンを討伐する。破滅の団がいればサハギンは全滅だ。王都は守れるとされるのだ、あはははははは」
「そうよ、勇者パーティー破滅の団に戻りたいと思ったでしょロメーロ?」
僧侶のハニーが俺に聞く。
ハニーは回復や支援系魔法が使える。
今回の戦闘ではそれほど体力は減らしていないから活躍はない。
なぜ俺が戻りたいと考えるのか。
サハギン程度の魔物を討伐したのを凄いと俺が思うわけないのにな。
でもハニーは本気で言っていたっぽい。
「俺が戻りたい? 冗談だろう、追放されたパーティーに戻りたいと思うかよ」
「そうね、追放されたのだものね、うふふっふふふふ、ごめんなさい、そのことを考えないでロメーロに言ってしまったわ。本当にごめんね」
「別に謝らなくていい」
ごめんて、わざとらしい言い回しだな。
こっちは絶対に追放したのを忘れるわけないのに。
ハニーはリアンと同じ女性だが、性格は違った。
リアンは謙虚な性格だが、ハニーは欲深さを感じた。
「さあ、先に進もうぜ!」
「勇者パーティーの凄さを見せるんだ!」
オリオンの掛け声でまた川を進む。
目的を理解しているのか疑問だな。
進むのはいいが、サハギンが原因なのかを調査出来てないよな。
サハギンの何が原因なのか、何も調べていない。
これでは原因がサハギンではなかったら、無意味なとは言わないが水質の調査にはならないけどな。
そのまま川を進んでいくと、またもサハギンがいた。
しかも数は多くなっていた。
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