『26話 謎のダンジョン』
『26話 謎のダンジョン』
バシっ!
バシっ!
「ぎやああああああああ!」
「ぎやああああああああ!」
残りの2匹も切った。
特に難しいことはしないでも、剣で切っただけでAランク冒険者並みのシャドウを終わらせた。
「終わりだシャドウストーカー。残念だったな。オークジェネラルにも匹敵した力はあったか。だが相手が悪かったな」
「なななな、シャドウストーカーが終わりだと!」
かなり驚いているが、遅すぎた。
この世界最強であり、偉大なこの俺の器用富豪スキルを前に、気づくのが遅すぎたのだ。
シャドウを出す前に気づくべきだったが、今頃気づくようでは、しょせん俺の器用富豪スキルの敵ではない。
そうだろう?
「驚いている間はないぜグールマスター。俺の剣はお前を切っているのだ。気づいてないか?」
「えっ? 私の体を切っていたの?」
「切っていたよ。お前がくだらない会話をしている時には、もう切っていた」
グールマスターと会話している間に剣を上から軽く切ったのを奴は気づいていなかったらしい。
もう体は切られているのに、話せるのはアンデッドのなせる技か。
人族にはとうてい出来ない芸だな。
思わず褒めてしまうと、グールマスターは、
「あああああああ、まさか、まさか、冒険者を食すために仕掛けたダンジョンなのに、私が負けるとは、あり得ないだろ、お前、あり得ないだろ!」
「そう言われてもな、アスカ皇女は連れて帰る。悪いがお前はダンジョンで死ぬのがお似合いだ。長く生きたろそろそろ永遠に寝る時だ。お疲れ様です」
「嫌だあああああああ、なんなのだ、お前は、オークキングやジェネラルは一人で倒すし、シャドウストーカーはあっさりと倒すし、私も倒すし、あり得ないだろ、こんなことがあっていいのか?」
「あっていいだろ」
死ぬのが怖いのか。
もう十分だろう。
「良くない!」
「お疲れ様だ」
バシッ!
うるさいし、しつこいので、切ったら、完全に死んだようだ。
家来のグールは怖がって逃げていって、アスカ皇女は置いていかれた。
縄で拘束されているのは苦しそうだから、拘束を切った。
「あ、あ、ありがとう冒険者さん。いきなりグールに連れて来られたの」
「最悪だったな。俺はロメーロ。冒険者で、助けに来たので!ダンジョンから出よう」




