『231』
『231』
なんともオリオンらしい理由だった。
リアンを取り戻したいから依頼を受けると。
あまりのバカさに俺はがっかりする。
依頼の目的は農民を助けることだ。
農民は農地が悪くなって困っているのを、早く元の農地に戻す。
そのために川の調査に行く。
しかしオリオン達は、農民の生活など全く興味ないという印象だな。
俺がイフリートスを討伐して、名前を上げたのが気に食わない。
俺を不人気にしたいようだ。
「あはははははは、俺も参加する」
「ボーデン。キミは大賢者だろ。もっと良識があると思った」
「俺の大賢者がロメーロの力なのかを確認したい。ロメーロと俺の勝負とする」
「面白いでしょ。私も参加しますからねリアン」
「ハニー、あなたまで」
大賢者のボーデンに続き、僧侶のハニーも参加するという。
残りの盾役のクランクはどうか。
彼は破滅の団でも一番献身的な性格であった。
クランクは参加しないと思った。
「ロメーロの名前ばかり売れて、俺の名前が汚れていくのは我慢ならない。ここではっきりとしたい。どちらが有能のなかを」
「クランクまでも参加か」
「クランク、バカなことはしないで。あなたの名前に傷がつくだけよ」
「リアンは俺のことを信頼しろよ。また仲間として戻ってこい。ロメーロに騙されているのだ。俺が気づかせてやる」
「気づくもない。ロメーロを知らない。もっとロメーロを信頼するべきだったのよ、クランク」
「信頼するべきは俺だよ」
クランクにリアンは説得するも、クランクはまるで聞く耳も持たない。
リアンを俺が騙していると言う。
なんで俺が騙すのか。
クランクの考えは間違いだと、依頼でわからせるしかないか。
俺はオリオンと競い合うつもりはないので、農民のことしか頭にはない。
「受付嬢はどうするのですか、破滅の団の参加を認めるのですか?」
「認めます。依頼は基本的に冒険者のランクよりも同じか低いのが基本。破滅の団はSランクですので、すべての依頼が受けられます。できればもっと高いAランク級の依頼を受けて欲しいのがギルドの望みですが」
「決まりだな。破滅の団は川の調査に行く」
「来るのか」
受付嬢は認めるというので、破滅の団も参加が決まった。
依頼は単独で達成して報酬をもらう場合と、一緒に達成して報酬を分ける場合がある。
オリオンはどう考えても、単独での達成を望んでいる。




