『210』
『210』
とても忙しそうだ。
俺がいると邪魔にならないようにしたい。
アスカがいるのを見た料理人が来た。
「これはアスカ皇女様。どうされましたか?」
「料理が出ると聞いた、料理は間に合うのかい」
「大急ぎで料理してます。城にいる料理人が総出で作ります。でも祝杯が急に決まったから何も準備していないのです。大変に言いにくいですが、困りました。何も準備もしてないですから。しかも王都にいるエルフとダークエルフが出席するとなると、もの凄い数の人数ですよ。初めてです、こんなことは」
「確かに急に和解しましたからね。国王が決めたことは娘の私にも責任があります。料理作るの私も手伝います」
「えええ! アスカ皇女様もですか。もちろん手伝ってくれるなら、ぜひお願いします」
「はい、します。リアンもやります」
アスカとリアンも一緒に料理する。
リアンが料理をできるかは見てないから未知数でもあった。
しかし自分から料理をするというくらいだから、多少は腕はあると思いたい。
俺は料理はしていないから、見学だった。
ただし、俺には器用富豪がある。
エルフ国に役に立てるなら協力したい。
料理場は大忙しだった。
肉料理やら、野菜が切られて焼かれていたりした。
いい香りがするな。
「あああああ、肉を焼いて~~~~リアン」
「私も忙しいからあああああ~~~わ~」
「お皿を運んでよ~~~~」
「アスカが運んで~~~」
リアンとアスカにも容しゃなく注文が飛ぶ。
料理人はたとえ皇女であろうとアスカに注文したのは、料理人の世界の厳しさがあるとわかる。
俺は邪魔にならないように見学しているも、アスカとリアンは大苦戦している。
とても忙しくて、二人が協力しても間に合う感じがしない。
「ロメーロも見てないで手伝ってよ!」
「俺もか?」
「そうです、野菜の盛り付けをお願いします」
いきなり野菜を渡されても困るな。
これだけの料理を間に合わせるのは難しいだろう。
俺が盛り付けたところで、たかが知れている。
それよりも全ての料理人に力を貸す方がいい。
時間を短縮できる。
力を貸すなら器用富豪の出番だ。
きっと役に立てる。
「それなら器用富豪スキルを使う。その方が速い」
「ええっ、器用富豪スキルには料理のスキルもあるのですか。見たことないかな」
「あるよ。時間を一気に短縮できる」
「ロメーロのスキルを使う時よ。どうなるのかわからないけど、やってみてよ。こっちはもう間に合ってないから」




