『208』
『208』
「神のなせる力です。ロメーロは神のようです。それは勇者パーティーにいた私も認めます」
「大神官も認めるなら、間違いない神だろう」
長老が俺をべた褒めした。
神とはちょっと褒めすぎだろう。
神から授かった力であるから、間違いではないけど、みんなは俺がガブレラ神から頼まれていることは知らない。
グリフォンを討伐したので、俺を神格化したい気持ちもある。
まあ、俺はいいとしてダークエルフと国王が俺の前で和解したのは、頑張ったかいはあった。
俺が直接討伐はしなかったが、それでもイフリートス並みに危険だった。
今は寝たので回復はしている。
「俺はエルフとダークエルフが和解してくれたら、それでいいです」
「和解した。今後は以前と同じようにダークエルフは住めるようになる」
「ありがとう国王」
「父さん、ありがとう」
「アスカの為もある。将来は我が国の王妃になるのだからな。ダークエルフと和解しておきたい」
「私が王妃ですか。そしたら国王はロメーロ国王です」
「ええええ」
「ええええ! ロメーロが国王!」
「決まっているの?」
アスカが余計なことを言ってしまった。
俺が恐れていたことだった。
言わなくてもいいのに、国王がアスカを王妃にするとか言うから、俺にまで及んでしまったのだった。
国王や長老から視線を感じる。
「国王、俺は別に国王になりたくはないです。アスカが勝手に言ったことですから」
もう遅いと思うが、せめて否定はしておく。
そうしないと、失礼だろうしな。
国王の座を狙っていると思われたくない。
せっかく国王から信頼されてきたところで、嫌われたくはない。
「勝手にて、もう~ロメーロ様ったら、恥ずかしがることないのに」
「普通に恥ずかしいよ」
「結婚と決まったのか。アスカをグールマスターから助けて、結婚まで決めるとは、強さは一流であり、アスカのここも奪ったわけか。アスカが認めた男として申し分ないだろうな。結婚は認める」
「ありがとう父さん!」
「ええええ! 認めるのですか、国王」
俺は間違いなく怒ると思っていたから、国王が認めるのは疑ってしまう。
国王はアスカの言うことは何でも聞いてしまう性格かもな。
これでは俺が次期国王みたいな空気ですが、する気は全くない。
「認める」
「ロメーロ、国王おめでとう」
「リアンまで言うなよな」
「ロメーロ様、遂に結婚です」
「待て、結婚はまだしないぞ」
俺はとりあえずは結婚はしないと言っておく。




