『205話』
『205話』
エルフ国騎士団に見つかったアスカ。
「アスカ、見つかったな」
「はい、もう逃げるとロメーロ様が誘拐したとなります」
「逃げない方がいい。俺は国王に会うよ」
「それがいい。国王は歓迎するよ」
「それならいいが」
「会うと、アスカはロメーロと婚約したと言うの?」
「言います」
「言わなくていい。アスカ。今日はグールマスターから救ったことと、グリフォンのことだけ話そう。結婚も話すと混乱する」
「う~~ん残念ですけど、ロメーロ様が言うなら」
「アスカ皇女、それでは城へ」
騎士団に発見されて、仕方ないから国王の城に行くとなった。
さすがにアスカだとわかったら、逃亡は厳しいか。
どちらにせよ国王には会うとは思っていたから、城に行く。
別に悪いことをしたわけではないし、堂々としていいだろう。
単にアスカが結婚したいというから、逃げていただけだ。
騎士団はエルフ国の軍で、王都の周囲を監視していて城にも出入りする。
当然にアスカの顔は知っていた。
王都の城に案内される。
大国だけあって優雅な城だった。
良い暮らしをしていたなアスカは。
以前にエルフ国には寄ったことはあった。
国王がいる部屋に。
国王が待っていた。
アスカを見ると、
「おおおお、アスカ無事で良かったぞ!」
「私も良かったです」
「それで話は聞いている。アスカはグールマスターが誘拐していたと」
「はい、誘拐したのは、あの悪名高いグールマスターでした。エピック国にあるダンジョンに入れられた。それをここにいるロメーロ様が救ってくれましたのです、国王。どうかロメーロ様にお礼を」
「助かったぞロメーロ。我が娘を救ってくれた礼はする」
「いいえ、お礼は要りません。救えて良かったです」
国王は俺には凄く感謝していた。
娘を救ったから、感謝するとして、謝礼とかは別にいいと言っておいた。
お礼が欲しくてアスカを助けたわけではないからな。
「グールマスターを討伐したと聞いた。娘を誘拐した時にとても強い魔族だったとわかっていたが、よく討伐できた。アスカを誘拐したのを探すために我々だけでは無理がある。そこでエピック国に依頼を出した。エピック国ギルドは勇者パーティーにも声をかけたが、他に依頼があったらしい。ロメーロが救出してくれて良かった」
「俺は元はその勇者パーティー破滅の団にいた冒険者です」
「なんと? あの破滅の団にいたのか。それなら納得だ。強いわけだ」
国王はオリオンのパーティーは知っていたようであるが俺の名前までは知らなかった。




