『23 謎のダンジョン6』
『23 謎のダンジョン』
「ほほほ、良くぞわかったな。私が倒すとなると膨大な魔力を使うのだ。それは嫌だ、魔力を使って勇者を倒しても、老いてしまうだろ。それじゃ意味ないのだよ。魔力を浪費せずに勇者、賢者もいるらしいからな。そいつらを食す予定だった」
「残念だな。勇者も賢者も来る間に俺が来て。ただエルフ国のアスカ皇女はどこだ?」
アスカ皇女の名前は俺は知らなかったが、エルフ国が大国なのは知っているし、当然に動く。
エルフ国の皇女に手を出すとは、最悪なアンデッドだな。
こういう考えを持つアンデッドは、早く始末するに限るし、俺より先に来た冒険者らもいたのだろう。
そこは可愛そうなことをした、俺が先に来てたら犠牲にならなかったのだ。
エルフ国は人族の国と国境を重なっていて、貿易もしていると聞く。
交戦はなく、友好な関係なはずだ。
よく皇女を連れ出せたなと思うも、本人をまだ見てないので、嘘かもしれない。
こいつを信じるのは危険だし、アンデッドを信じる俺じゃない。
直接見るまでは、嘘と思うのが正解である。
どこまで本当なのかが知りたいけど、それには骸骨を倒すのが一番早いか。
ただグールマスターがクソ野郎なのはわかった。
それが良かった点は、もしグールマスターが自分で行動して、人族らの女を奪いに行っていたら、人族の国は甚大な被害が出ていたのは確実だった。
オークキングを従わせる魔物はそうはいないし、Aランクパーティーでは、役に立たないレベルの戦闘になるだろう。
Aランク冒険者以上は各国でも数人いるかと思われるし、そこのところは各国とも秘密にしているが、いても数人として、グールマスターとオークキング、ジェネラルが攻めたら被害は災害級だ。
ほとんどの国は膨大な犠牲者がでていただろうが、それが出なかったのは、この骸骨グールマスターがバカみたいな性格して引きこもっていたからだった。
もし引きこもりでなかったならと考えると、恐ろしい結果になっていた。
だが俺がこのダンジョンを知ったのは偶然だろうかというと、そうと言い切れなくて、俺にユニークスキルとして器用富豪スキルを与えたのが神なら、神は俺にこのクソ骸骨グールマスターを俺に始末させろということとも受け取れる。
魔王から世界を救うために俺に偉大なる器用富豪スキルを与えたのが神なら、これも神が仕組んだのかも知れない。
俺と言う存在を、グールマスターに引き合わせたとも考えられる。
それが俺の考えすぎなのかはわからないが、偶然か必然かにしてはグールマスターは運が悪かった。
「見たいか、どうせ私に食されるのに、いちいち注文が多い奴だ。見せてやろう、さあ見るがいいアスカ皇女を!」




