『202話 ダークエルフ村75』
『202話 ダークエルフ村75』
「エルフ国には早く行きたい。急いで行く」
「ゆっくりでもいいのかと俺は思ったけど」
長老は俺とは違い、急ぎたいと言う。
焦る必要があるのかな。
「これは私の推測だが、グリフォン程の魔物がいた。グリフォンを馬車で連れて引いて行くのは目立ち過ぎるのだ」
「目立ち過ぎるとよくないのですか」
「セイウン国からエルフ国までは相当な距離がある。途中で何度も町に立ち寄ることになる。そこでグリフォンが馬車にいると漏れたら、街はパニックになる。それと盗賊のような奴らもいる。グリフォンが奪われたら大変だ」
「確かに盗賊はどこの街にもいる。グリフォンを奪うと考えるのがいても不思議はないですね」
「ロメーロがいないなら、安全に運べないかも」
「永久拘束してあるから安全ではある、けどグリフォンが窃盗されたら問題だな。ギルドも大騒ぎするだろう。そしたら俺が同行するか」
途中の街で宿泊はする。
エルフ国まで距離があるからだった。
宿泊する街に盗賊がいると、危険が増すと言われたのは気が付かないでいた。
長老が言うように盗賊に会うのはマズいな。
まあ、俺の器用富豪の永久拘束してあるので、グリフォンが解放されることは絶対にないから、暴れることはない。
だから安全ではあるが、消えたとなると世界は慌てるよな。
俺は馬車で行けと言ってしまったことを反省した。
長老から指摘されて気がついた。
馬車は失敗だ。
中止だな。
「馬車は危険とすると、ロメーロも一緒に馬車に乗れば問題ないです。彼がいれば盗賊が来ようが不安はないですから」
「ロメーロ頼む、我らダークエルフと一緒に来てくれるか?」
長老は俺に頼んで来た。
もちろん俺は必要なら運ぶのは手伝う。
安全はいるからな。
「ロメーロ様の瞬間移動スキルがある。エルフ国まで行けますか。それが速い」
「行ける。そうだな瞬間移動で行くとするか。ただし今の俺は疲れていて無理だ。どのスキルも使えないくらい酷い状態だ。今日は宿泊したい。明日に移動できる」
グリフォンとの戦いで疲れている。
多重スキルを使っていたからだ。
疲労感が蓄積しているので、翌日に出発と決めた。
よってその日は村に滞在となった。
長老とチークも、翌日で納得してくれた。




