『200話 ダークエルフ村73』
『200話 ダークエルフ村73』
「やめてください、絶対に嫌です」
「弱い魔物なら逃げますよ。グールマスターを見たら」
「チークまで私をグール扱いですか!」
「ああはははは」
「ロメーロ様まで笑わないで」
「戦ってくれて感謝しますアスカ。これからチーク達とエルフ国に向かうので、国王に会う。国王の怒りが変われば、我々は村からエルフ国に帰れる。長年の夢だった」
「私も復帰できるのを信じてます」
「あれ、アスカは国に帰らないのかい?」
「はい、ロメーロ様と一緒にいますので」
「なるほど、冒険者パーティーも大変ですな。これほど強力なパーティーの名前はあるのかい?」
長老からはパーティーだと思われたが、俺は別にパーティーを結成したつもりはなかった。
名前なんて考えていないし、ゆったりと器用富豪が必要な人の為に役立てたらいいのだ。
「パーティー名は考えてませんね。俺は俺が必要としている所に行けばいいのです。どこかで俺を必要としているなら、そこに行きます」
「あの大神官であるリアンもいるので、驚いている」
「はい、私は今日からロメーロに合流しました。今後は一緒に行動します」
「確か勇者パーティーにいたのではないかな。有名なパーティーだからダークエルフにも伝わっている。それがなぜ?」
「はい、勇者パーティーの破滅の団にいました。勇者オリオンとは一緒にいたくないので自分から出てきました。ロメーロを探していたら、カイザール国で噂を聞いた。ダークエルフの村に向かったと聞いた。それで探して来ました」
「なんと、勇者オリオンから出てきたとは。ロメーロがいかに凄いかがわかります。実際に村をグリフォンが操っていて、エルフ国と戦うこともあり得ました。それを救ってくれたロメーロには感謝します」
「ロメーロは規格外の強さです」
「チークを送って正解だった。チークがロメーロと会って連れてこなければ、大変だった」
「良かったです。ロメーロありがとう」
チークが俺に感謝する。
思えばチークが俺を探して来てから始まった。
チークの相談に乗って良かった。
こうして長老も喜んでくれている。
「いいえ、俺はこうして長老とダークエルフがみんな喜んでくれて、それでいいです。エルフ国に行ってください。だけどこの村はもう使わないですよね」
「そうだな、エルフ国に行くなら、ここに来る必要はない」
長老に宣言しなくてもいいとは思うのだが。
まるで俺が大神官を引き連れているみたいだ。
「凄いですね、エルフ皇女に大神官を連れて歩く。まるで勇者みたいだな」




