『199話 ダークエルフ村72』
『199話 ダークエルフ村72』
村の長老トラハトの家にいる。
俺は長老から歓迎されていた。
詳しい話はチークが長老に話した。
グレムリンがダークエルフに変装していたこと。
グレムリンを後ろから操っていたのがグリフォンだったこと。
エルフとダークエルフを戦わせる予定だったことも。
チークの話を聞いて長老は、
「おおおお、ロメーロ殿、話はチークから全部聞いた。村のダークエルフを救ってくれたのか、ありがとう!」
「いえ、俺は当然のことをしたまでです。感謝はいりませんよ」
器用富豪にとって当然て意味だ。
世界を救うのが使命みたいだしな。
「裏切り者が村にいたのだな」
「グレムリンという変装可能な魔物でした。グレムリンは最初に発見したところ、問題が起きたのは、グリフォンというとてつもない危険な魔物が裏にいて、ダークエルフとエルフを戦わせる計画を持っていたのです」
「グリフォンか。まさかあのグリフォンが村の近くにいて、我々を監視していたとはな。恐ろしいことだ。ロメーロが居なければエルフとダークエルフは戦いになっていたかもな。弱ったところを支配する計画か。助けられたぞロメーロ、それにアスカ皇女、大神官リアン」
「私は皇女ですけど、今までずっと父の国王からはダークエルフは信じるな、あいつらは我々を倒そうとしていると、険しい顔で言っていたの。だから私も同じ考えになったの。でもねチークに会って、村に来てから、考えが揺らいできていて、本当にダークエルフは悪い人なのかなて。チークや村の人はそうは見えなかったの。その後にロメーロからグールマスターに変装させられていたら、やっぱり村に裏切り者がいた。ダークエルフら悪い人じゃなかったとなった。私も一緒にグリフォンと戦ったわ」
「村に出現したあのグールマスターは、アスカだったのだな」
「そうです。ロメーロのスキルで変装したのです。最悪な姿でした。もう2度としません」
「いやいや、すごい迫力だったと聞いている。村のダークエルフ達は、すっかり本物のグールマスターではないかと信じてしまったからな。迫真の演技だったわけだ。それだけの演技があるなら、またグールマスターになるのは役に立つだろうと思うけど」
「嫌です、嫌です。最悪です。私はしません」
「長老が言うのなら、俺はまたどこかでアスカに変装してもらおう」
みんな騙されていたものな。




