『191話 ダークエルフ村66』
『191話 ダークエルフ村66』
「チーク、俺たちはアスカを恨まないさ、グリフォンだって一緒に倒したろ!」
「そうだよ、アスカはエルフだけど、俺たちダークエルフを差別しない。だから俺たちもアスカを恨みはないのさ!」
「ありがとう、みんな!」
騎士達に受け入れてもらえたアスカは泣きそうになっていて、騎士に囲まれていた。
最初はダークエルフ達にアスカは嫌われるだろうなと心配ではあったから、喜ばれて俺も嬉しかった。
良かったなアスカ。
「良かったなアスカ」
「はい、私は思い違いをしていました」
「ロメーロ、この活躍は凄いわ、あなたの才能のおかげよ」
「いいや、俺はダークエルフとアスカを支援しただけさ。戦ったのはみんなだ」
「支援て、最強の支援をね」
最強の支援か、俺が役に立てなら、それでいいのだ。
これでエルフ国がエルフとダークエルフが一つになれるきっかけになれたなら、俺の器用富豪は正しかったとなる。
これでいいのだな。
俺は倒れたグリフォンを見つつ、自分に問いかける。
ガブレラ神は見ていたのか。
まあ、見ているだろうな。
俺が何も言わなくても、知っているしな。
いい加減に、俺だけに戦わせるなよなと言ってやりたい。
「グリフォンをどうしますロメーロ?」
「グリフォンとグレムリンは拘束しておこう。そうしたら動けない。エルフ国に連れていけばいい、そこで全てを話させるべきだ。国王も全てを知れば、考えも変わる、アスカのように」
まだ死んではいないようだった。
生かしておいてエルフ国に連れて行くと決まった。
グリフォンとグレムリンに国王に話させよう。
ダークエルフにかけられてきた疑惑が晴らされる。
今まで長いこと恨んできた。
それが和解できる。
俺としても嬉しい。
もともとは一緒に暮らしていたのだから、また一緒に暮らせるのは嬉しい望んでいたことだろうな。
グレムリンは大したことはないものの、グリフォンは危険である。
今は体力もなくなり、気絶状態に近いからいいが、時間がたてば復活してしまうので、器用富豪スキルで大人しくしておくのが重要だ。
安全にさせた上でエルフ国に送る。
後悔させるべきだし、罪を償わせるのもいい。
「そうしよう!」
「エルフ国に行かせて、謝罪させようぜ」
「ざまぁみろだ」




