『176話 ダークエルフ村54』
『176話 ダークエルフ村54』
「スゴすぎる」
「ロメーロはいつもこうして勇者オリオンも支援していたの。それなのにオリオンやボーデンやハニーはまるでロメーロの恩恵を感じずに、自分の才能だと思っていた。だから、私は破滅の団パーティーを出てきたの。来て良かったかわ」
「ロメーロ様のことに気づいていたのはリアンだけなの?」
「そうです。他は誰もロメーロを尊敬していなかった。私はロメーロを尊敬していて、ここまで来てしまったけど、後悔はないの」
リアンは大神官であるから、魔法を使う時が多い。
その際に魔法攻撃1000倍にオリオンらにはしたが、リアンだけはしなかったのだ。
倍率を下げて100倍、10倍とかにした。
リアンの方から断ってきたので、自分のためにならないと言い、もっと自分に苦しい状況に追い込みたいと言った。
そこで、リアンだけは1000倍でなく10倍にしたのだ。
もちろん10倍でも強力ではあるが、頼り過ぎない点は違う。
「オリオンはバカな人ね。ロメーロ様は追放するし、リアンには出ていかれるし」
「勇者だけどね、一応」
「勇者でもバカです。勇者を取り消すべきです」
「取り消されるのは時間の問題かな。私が破滅の団を出る時も、ギルドからは怪しい感じだった。信用を失いつつあった」
「だろうな」
オリオンは逆に俺の器用富豪をバカにしていて、全部否定していた。
器用富豪の恩恵を受けつつ、さらに成長してほしかった俺は、オリオンは器用富豪に頼り過ぎていて、少ししか成長できなかった。
リアンは俺の思った以上に成長したので、嬉しかった。
「リアンとロメーロ様の関係はどうなのかな?」
「なに?」
アスカは気になっているらしい。
俺に近づく女は敵として見る傾向がある。
リアンは別に俺には好意はないと思うので、アスカが気にすることはない。
しかしアスカはギルド受付嬢にも敵対したことがあるので、注意はいるな。




