『175話 ダークエルフ村53』
『175話 ダークエルフ村53』
器用富豪の影響で、魔法にも耐えていたので、グリフォンは驚いただろう。
「あり得ない、あり得ない、あり得ない、獅子のブレスをこうも簡単に防御できるなんて。バカな、なぜだ、なぜだ」
「ロメーロのおかげだよ」
「あいつか! またも邪魔しやがって、なんだかわからないが、ダークエルフ騎士が強さが強くなっている。それも異常なまでに強くなった、うわわわわわわわわわわわあああああ」
ズバ!
ズバ!
ズバ!
騎士の剣術が炸裂した時にグリフォンが叫んだのは、グリフォンの防御力を1000倍減少させたからである。
攻撃力は1000倍上げてある。
よって化け物の防御力も減少させれば、ダメージはあるとなり、悲鳴を上げた。
グリフォンの悲鳴は村に響く。
「水魔法、ウォータル!」
ズバアアアアアアアアアアアア!
続けて水魔法も放ったのは、いいことで、剣術だけでなくエルフは魔法も優れていると聞く。
グリフォンにウォータール魔法が当たる。
「あああああああああああ、痛いいいいいいいい、ウォータルがこんなに強い魔法だったかああああああああああ!」
「効いている、もっとウォータルを打て!」
ズバアアアアアアアアアアアア!
「痛いいいいいいいいいいいいいいいいい、なんなんだ、ウォータル、強すぎる!」
苦しみが倍増している。
ウォータールは上級の攻撃魔法とは違う。
グリフォンに命中させても、かすり傷程度に終わるのが普通だ。
しかし今のグリフォンは防御力はないに等しい。
皮膚は敏感になっていて、軽い攻撃ですら痛みを感じる。
どうしてかわからないまま、グリフォンは苦しむ。
器用富豪スキルの成果だった。
グリフォンは器用富豪について何も知らない。
なぜダークエルフが強くなったかを理解できない。
もう少し知能があれば違っただろうにな。
イフリートスの方が器用富豪に理解はあったかもな。
同じ化け物でも理解には差があるな。
「ロメーロ様のスキルですか?」
「まあな、グリフォンの防御力は1000倍減少してある。ウォータルはSランクかもしれないグリフォンには通常は通じない魔法であるが、今のグリフォンなら抜群に効果ある。もっとやるべきだ」
「1000倍減少!?」
「どんなスキルですかね?」
「ロメーロにしかできないスキルね」
リアンが俺の代わりに答えた。
ダークエルフをグリフォンと互角に戦えるまでにできるのは、世界でも俺しかいない。
後は、ダークエルフが勝つのを待つだけだ。
勝てる勝負だ。




