『174話 ダークエルフ村52』
『174話 ダークエルフ村52』
追加でスキルを多重使用する。
通常ではあり得ないが、俺は多重スキルが可能だった。
SランクやAランクのスキル使いでも2つが限度だろう。
よほどの強者でも3つか。
しかし俺の器用富豪は多重で使えて、10個くらいになったかな。
自分でも数えていないので正確な数がわからない。
「グリフォンの魔力を1000倍減少させたし、騎士50人の魔法防御力を1000倍上昇させた。これで魔法にも耐えられるし、魔法の力もなくなる。そこらの氷魔法くらいになる。さらに防御力も減少させた。これで騎士の攻撃を受けたら激痛で体力を大幅に減少させられる。みんなもう少しだ。もう少し頑張ればグリフォンを倒せる。ダークエルフの底力をみせてやるのだ!」
「ロメーロがまた力を貸してくれた!」
「まだやれる、まだやれるぞ」
「私も協力します。凍った手や足も回復させて、復活させます。グレードヒール」
「リアン、よろしく」
リアンが回復魔法をして体力と凍った部分の治癒を開始し、みるみる間に治癒した。
ナイスタイミングだな。
リアンがいつもいた勇者パーティー破滅の団でも同じだった。
リアンは俺に頼ることなく回復魔法の鍛錬に忙しかったし、逆にオリオンは鍛錬することなく、自分が天才と思い、魔法も剣術も鍛錬しなかった。
俺はなるべく本人に努力してもらいたいと思っていた。
俺は知っている、リアンが血のにじむ程に魔法の勉強をして、努力していたのを。
「無駄だな、獅子のブレスの前には無駄だ。治癒したって意味はない。くたばれダークエルフよ、獅子のブレス!」
バアアアアアアア!
バアアアアアアア!
「来たぞ」
「もう終わった」
「結局は勝てる魔物ではなかった。残念だ」
「ん……あれあれ、よく見てよ。大丈夫だ、耐えられます!」
「ロメーロのスキルで、さっきよりも耐えられる!」
器用富豪スキルの恩恵の効果で、魔法防御力を上昇させてあるので違いは当然だ。
最初は防御力だせで耐えていたので、完全ではなかったのだ。
いくらかは防御できていたに過ぎなかった。
今回は魔法への効果もした。
しかし最初ぬ多重スキルして、またも多重スキルをしている。
よって俺の力を持ってしても限界にあった。
すでにヤバい感じだ。
グリフォンと戦うにはこれくらいの覚悟は必要ってことだな。
俺の限界が先かグリフォンが先に終わるかの勝負だな。




