『20 グールマスター』
『20 グールマスター』
「趣味とか気持ち悪いし」
吐き気が起きた。
顔は骸骨顔で、それだけでも見ている俺は気味が悪いのに、趣味の話とか要らないって感じだった。
どうせろくな趣味ではないだろうに、聞きたくはない内容だ。
趣味の内容を聞いて気分を害したくないし、興味もないから、早く俺の前から逃亡してくれ。
そして王都から出ていけと思う。
あっ、でも逃げられても、またどこかのダンジョンに居座るなら、面倒だからここで討伐しておくべきか。
ここはカイザール国であり、俺は特に嫌いではないので、この国被害が出るのは困るから、出来れば俺を追放したエピック国に逃げてくれないかな。
それなら俺は見逃すけどな。
「くくくくくく、教えてやろうか、私の趣味を」
「聞きたくない、お前のような骸骨の趣味を聞かされる方の身になれ。どうせくだらない内容だろ、例えば骸骨の顔を若返るクリームを作るとか、綺麗な肌になるオイルを作るとかか、その程度だろ、俺は興味ねえから」
「なぜわかったのだ!」
「当たりかよ」
まさかだな。
適当に言ったのに当たりて、いくら何でも正解が普通すぎだ。
もっと当たらない理由にしてくれといいたいが、目の前の骸骨のグールは、真剣な顔をしている。
真剣な顔でいう内容ではないだろうし、偉大なる才能を持った俺には時間の無駄に思えた。
「そうだよ、お前は鋭いな。私の秘密をあばくとはな」
「別にあばいたつもりはない。いいから、早くしろ、お前との会話は無意味だ。戦うのか」
「まあ待て、私の秘密をあばいたからには、話をするしかあるまい。私はグールマスター。名前の通りグールのマスターだ」
「それくらいはわかる。ていうかマスターじゃなかったら、死ぬって感じだ」
「1000年もグールになってから生きている。アンデッドなので生きているてのは変な言い方だがな。それでだ、本題に入るが、1000年も生きていると最近になり顔が老けてきたのに気づいてしまった」
「最近かよ、もっと早く気づくべきだ」
「そこで私の凄いところはだ、人族のそれも強い冒険者の力を利用するのを考えた。強い力を持つ冒険者の生き血、生肉、それらを食すとだ、顔から肌が若返りした。それでこのダンジョンに住み着き、強い冒険者を呼び込むようにしたのだ」
「オークキングらに冒険者を殺させたのだな。外にはAランク冒険者が死んでいるからな。後で食すつもりだったか」