『172話 ダークエルフ村50』
『172話 ダークエルフ村50』
「ロメーロらしいわね。一人の方が楽て」
「いいえ、一人ではありません。私が一緒ですから」
「彼女はアスカ。エルフ国の皇女だ」
「皇女? となると、エルフ国から連れ去られていった皇女とはあなたのこと?」
「そうよ。アスカ皇女とは私のことよ。そしてロメーロ様と一緒に行動します。ずっと一緒ですので」
アスカはリアンに忠告する。
まあ、そんな言い方したらまるで俺とアスカは結婚しているみたいだろうに。
「それは失礼しましたアスカ。私はリアンよ、よろしく」
「こちらこそリアン。でもロメーロ様は渡しませんからね」
「渡すとは?」
「リアン、気にするな」
「はい」
アスカのことはまだ分かっていないから説明している時間はない。
リアンが俺の考えに同調してダークエルフと戦うのはありがたいわけで、グリフォンとの戦いには少なからず戦士の士気が必要だからだ。
グリフォンの爪の猛攻にも耐えているし、攻撃も徐々に開始しているのは、いい傾向だ。
攻撃力1000倍上昇させてあるし、速度も1000倍上昇したので、グリフォンに迫る速度、爪をかわす速度、剣や槍で攻撃する速度も1000倍である。
AもしくはSランク級の魔物であるグリフォンとて、ダークエルフの選りすぐり騎士のステータスが1000倍に上昇したら、苦戦するのは当然だ。
しかも50人もいれば、グリフォンと互角に戦える戦力となる。
「グググググ、ダークエルフがここまで強いとは、このグリフォンが苦戦するとはな。しかし魔王様の側近でもあるグリフォンを舐めるなよ。獅子のブレス!」
バアアアアアアア!
「これは、氷だ、氷の息だああああ!」
「あああああ、冷たい、手が凍る!」
「不味いぞ、あの息を受けたら凍る!」
グリフォンは爪の攻撃が効かないと判断して、思考を変えてきて、魔法攻撃ときたか。
その息は物理攻撃でなく、氷魔法の攻撃で、防御力1000倍上昇してあるものの、魔法を完全には防御しきれない。
そのため息を受けると、受けた部分は凍ってしまうので、騎士の何人かは部分的に凍ってしまう。
「ロメーロ様、グリフォンが反撃してきました」
「簡単には勝たせないわけだな」
「このままでは凍ってしまいます!」
「大丈夫だ。たとえグリフォンが魔法攻撃できても、心配はいらない。決して防げない攻撃ではないのだ」




