『166話 ダークエルフ村44』
『166話 ダークエルフ村44』
そして何よりも彼らには強い意志があり、本当はエルフ国に帰りたいのだという意志だ。
自分達が生まれた国が本当は好きだし、帰りたいと想う意志が言葉にはしていないが、俺には痛いほどに伝わるのだ。
それがあれば器用富豪スキルの恩恵を与えないわけにはいかないのだ。
ガブレラ神から授かったのかわからないが器用富豪スキルは、使い方によっては極めて危険なユニークスキルである。
もし間違えて使えば世界を支配して、欲望のままにも使えるのだし、嫌いな奴は簡単に殺せるし、何でもかんでも自由にできてしまう。
イフリートスも倒せてしまうスキルだから、一国を支配するのだって俺が望めば出来る。
それだけに俺は使え方を常に考えてから、本当に使うべきなのかとし、それで執行すべきと判断した時にのみ、器用富豪スキルを使用するのだ。
オリオンにもずっと恩恵を与えたのに、オリオンは俺を追放した。
本来はオリオンには与えるべきではなかったと今さらながら思う。
彼らには頑張って欲しいが、器用富豪スキルを与えるのにふさわしくなかったかもな。
しかしオリオン達と違い、ダークエルフが自由を取り戻したいと想う気持ちになら器用富豪スキルを使うのは正しいと俺は考えた。
だから使用に後悔はない。
ガブレラ神も納得するだろう。
グリフォンが出現したのであるから、むしろ頼んでくるくらいだ。
ガブレラ神は初めからグリフォンと俺が出会うのは知っていたのか。
いつもそうだが、知っているなら初めに伝えて欲しいのだが、俺には何も言わない。
言わないのは、わからないからとも考えられるが、不親切だよな。
少しは戦う俺の身にもなって欲しい。
そこでグリフォンは討伐するとなった。
グリフォンのステータスを確認したい。
まだ見ていなかった。
いつものように神眼鑑定を使う。
『器用貧乏』のぞき見 Fランク
↓
『器用富豪』神眼鑑定 SSSランク
名前 グリフォン
レベル 1633
体力 9330
魔力 9835
攻撃力 9210
防御力 9870
素早さ 8943
スキル
獅子の爪
魔法
何とも強烈なステータスを確認した。
レベルは1633ある。
イフリートスのレベルと同等くらいだな。
他のステータスもイフリートスと比較しても劣るところはなかったのは、予想していたが、こうして見てみると化け物である。
Aランクパーティーでも全滅レベルだろうな。
それがエルフ国を狙ってきているのだ。
放置はできない。
もし俺が放置したらエルフ国の被害ははかりきれない。
イフリートスもそうだった。
エルフ国はグリフォンの支配に。
カイザール国はイフリートスの支配に。
さらにグールマスターとオークキングもいた。
完全に人族の最大の危機だな。
ガブレラ神は俺にこの状況で、世界を守るように言ってきた。
とんでもないな。
こうなったら後は魔王が出てくるしかないし、もしかしたら魔王が攻めてくる前段階かもと思う。
魔王が進行してくる足固めの気もした。
だがグールマスターとオークキング、イフリートスは死んだ。
魔王の戦力は大幅に落ちた。
魔王がそれをどう思っているかな。
もう俺のことを知っていても不思議はない。




