『19 グールマスター』
『19 グールマスター』
世界最強とかのレベルを超えた神にも匹敵する力を持つ俺が来たのは、誤算となる。
ちなみに俺のレベルは1のままだ。
レベルは上がらないのは、どうしてか知らないがあまり意味はない。
レベル以上にスキルが補ってしまうからだ。
「グールマスターか。知らない名前だが、魔王か?」
「なぜ、わかった名前が。完全にステータスを鑑定不能にする防御をしていたのだぞ!」
「えっ、そうなのか。悪いな気づかなかった」
鑑定されない壁をしていたらしいが、俺の神眼鑑定はそれを難なく通り越して鑑定してしまうので、俺でも防御していたのを知らないで鑑定してしまった。
悪かったのか、謝るのも変だが、名前を隠すのは必要あるかと思った。
ステータスを鑑定されてしまい、あせっている風のグールマスター。
動揺が隠せないのは、きっと鑑定されることが今までなかったと思われる。
誰にも鑑定されてこなかったのに、あっさりと俺の器用富豪スキルに鑑定されて、精神的に敗北している。
この時点で俺がマウントを取ったと同じだった。
俺が勇者パーティーレベルではないのに気づいただろうか。
気づいたなら、今からでも遅くはないから、俺の前から逃げるのが得策だろう。
「かなり上級の鑑定を使えるのだな。魔眼か?」
「違う。魔眼よりも上だな」
鑑定スキルには下位から上位種のものがあり、魔眼は魔族が使う鑑定スキルと聞いている。
それも上級魔物が使うスキルとされているというが、上級魔物程度で使えるスキルと俺の器用富豪スキルとを同等扱いは酷い扱いだった。
「ふふふ、恐ろしい奴が来たものだ。私の部下のオークキングらを倒さない限り、ここにはたどり着けない構造だ。どれだけ魔力とスキルを使ったのだ。もう残りはないだろう。なぜなら勇者が来てもいいように、あいつらを配置したおいたのだ。もはや魔力も体力も残りはないだろう」
「残りはない? 止めてくれ、冗談だろ。俺を勇者と比較して判断するのは。ここまで来るのに魔力は使用していないし、体力の減少はゼロだ。まぁここに来るまでの魔物は、国も倒すのに匹敵する力は必要だが、俺は楽勝だったのは言っておく。黙っているのはフェアじゃないからな」
「楽勝だと? あはははは、面白い人族もいるもんだ。オークキング、ジェネラルらを倒すのに楽勝なわけあるか。あれだけのオークをダンジョンに集めるのは大変だったのだからな。お前には大変だったのがわかるまい。それも全て私の趣味なのでね」
趣味とか言い出した。
骸骨の顔をして趣味もねえだろと言いたい。




