『161話 ダークエルフ村39』
『161話 ダークエルフ村39』
俺の名前を呼んだ方向を見ると、まさかと思った人物だった。
女性だった。
しかも俺の元パーティーメンバーだ。
「リアン?」
なぜリアンが?
オリオンの破滅の団にいなければならないはずだが。
どうしてこのダークエルフの村にいる。
エピック国にいると思ったが。
だがオリオンに会いに行った際に、リアンの姿はなかったな。
なぜ居なかったのか、不思議だったけど、俺を追って来ていたのか?
それなら話は通じるが。
「あなたの所に来ちゃったの。お願い、私をロメーロと一緒に冒険させて!」
俺の予想を全く超えた瞬間で、なぜリアンが、と言う感じだ。
オリオンとこのパーティーに必要な存在だろうし、オリオンが追放するわけないので、ここにいてはいけないのに。
大神官という名前もある。
「ちょっと待てリアン。今はグリフォンと戦闘中である。少し時間をくれ」
「はい。邪魔はしません」
「気になる点はあるが」
やはり俺を追ってきていた。
オリオンのパーティーとは完全に別れたということか。
今頃はオリオンはリアンに去られて困っていると思われる。
絶対に必要な人材だからな。
ただすでにグリフォンが攻撃をしている最中であるから、ここはリアンには待ってもらう。
話は後で聞く。
いまは俺も油断はできないからな。
「まずはダークエルフから、切り裂いてやろう、ぐははははははは!」
「あああああ、グリフォンの爪が来るぞ!」
「防御しろ、防御だあああああああ!」
「あああああああああ、やられた!」
「こっちも切られたぞおおおお!」
リアンと会話をしていたので、一瞬の油断だった。
速いな。
あれどけの巨体な体をしているのに、動きは速かった。
一瞬よそ見をしていたら、何人かの被害が出てしまう。
俺の油断での犠牲だけに悔やまれた。
しまったな、大ケガしまった。
グリフォンの爪が騎士の盾を貫いて、そのまま切り裂いた。
上半身は鳥、下半身はライオンの形をしていて、翼も大きい。
ダークエルフの騎士が数名切られたようで、流血していて、グリフォンの名前だけはあるな。
最初のグレムリンとは違う。
グレムリンに命令させ、従わせる力があるのは、今のでわかった。




