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『155話 勇者オリオン視点』

『155話 勇者オリオン視点』



「勇者オリオン、こちらへ」


「はい」


 オリオンはエピック国、王都にある冒険者ギルドにて受付嬢から呼ばれると、仲間と一緒に近寄った。


「オリオン、なぜ依頼を失敗したのでしょう。簡単な依頼だったはずですが?」


 受付嬢はオリオンを疑っている。

 前回の依頼も失敗したし、なぜかわからないが上手くいかないのだ。


 リアンが言うにはロメーロの器用貧乏スキルがあったからだとなるが、オリオンはまだどうしても信じていない。

 いや、信じたくないのが的確か。


「失敗する時もある。たまたまだ」


「たまたまにしては、2回連続で失敗です。こういう言い方はしたくないのですが、今の不調は原因があるのではないかと思っています。スケルトン、マンドラゴラ、ハーピーと決してオリオンの経験から倒せない魔物でないのに、負けて帰ってきたのです。変ですよ?」


「今は疲れているのだ。それが原因だ。だが疲れは取れるし、心配はない。また依頼があるなら依頼してくれ。俺は逃げも隠れもしない」


 はっきりと言っておかないと信頼が失われてしまう。

 ギルドがオリオンの評価をしている機関なので、いくら訴えても冒険者ギルドが、低評価したら終わりだ。


 それはパーティーメンバーは理解しているので、受付嬢には反論しないのだ。

 もちろん反論したい気持ちはあるだろうが、受付嬢とケンカしても利益にならないし、オリオンが損をするだけだ。


「そうは言っても勇者パーティーとしての評価は下がっています」


「本当にか」


「当然です。下のランクの依頼を失敗したのですから、ギルドの評価は下げざるを得ないのです。また失敗していたら勇者パーティーの名前もなくなります」


「それは止めてくれ。俺は勇者だろ。そこほ変えないでくれ」


 オリオンは受付嬢に必死に訴える。

 いくら勇者でもギルドには逆らえないからだ。

 調子がいい状態で、依頼を達成していた時は、ギルドにも強気の態度を取っていたオリオン。

 ただ二度も失敗したら、ギルドには大きな顔はできない。

 苦しい顔になるオリオン。

 オリオンだけではない。

 賢者ボーデンも同じだ。

 賢者の名前をもらい受け、ボーデンはまさに最高の状態であった。

 自分が天才だと信じた。

 自分よりも才能のある者はいないとさえ思う。


 僧侶ハニーとクランクだってそうだった。

 魔王を討伐するのは自分達しかいないと思っていて、魔王との戦いの準備をしていたのだ。

 邪魔なロメーロを追放して、これから魔王の住む魔族の大陸にも望む。

 だがロメーロを追放してから歯車がおかしくなったのを、まだ信じたくなかった。

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