『153話 ダークエルフ村36』
『153話 ダークエルフ村36』
「みんな彼女はエルフですけど、決して敵ではないです。攻撃しないであげて!」
「チーク……」
「なぜチークがエルフの女を助ける。おれたちにとったら追放したのがエルフ族だぞ」
「そうです。私はエルフ族です。変装していました。チークの言うのは本当です」
「本当にエルフだぜ。おい、このエルフの女をぶっ倒してやろうぜ!」
「おおおおお! エルフの女を縛れ!」
「みんなでエルフの女に復讐しようぜ!」
おいおいヤバい空気だな。
アスカを縛るとか止めないと危険だな。
「止めて止めて、アスカはダークエルフの敵じゃないの、みんなわかって」
「わかるかよ。俺たちがどれだけ追い出されて苦しんだかわかっているだろ」
「でもね彼女は違うの。信じてあげて。それよりもここに飛行する巨大魔物が来ます!」
チークは怪しまれるアスカを助けてあげると、さらに飛行魔物も警告した。
俺が言うよりもチークがアスカを説明した方が説得力があるな。
エルフと現在は仲の悪い状態である。
アスカを見たらグールマスターよりはいいが、険悪ね雰囲気になった。
チークが説得しても、完全にアスカを信じる者はいない。
村の騎士達はアスカのエルフ姿を見て、
「じゃあなぜグールの姿をしていたのだ。意味がわからない?」
「それはグールマスターの姿を見た人の中に裏切り者がいるのを見つけるためです。そして一人発見して森で正体を現したの。グレムリンでした」
「グレムリン?」
「グレムリンて、魔族か?」
「どこにもいないぞ?」
「ダークエルフの姿で森に逃げたの。森でグレムリンの姿に変わりました。そしてロメーロが戦闘になり、飛行魔物に助けを求めたの、それが村に来る!」
「いくらチークの言うことでも、いきなり信じられないが」
「チークを疑うわけではないけど、エルフはもう信じない。我らダークエルフを追い出したのだから」
やはりチークが説得しても、かえって反感をかう感じだった。
エルフに戻したのは失敗だったかな。
まだダークエルフでもよかったのかなと自分の失敗も考えていた。
そこへ森にいた飛行する魔族が来たらしい。
「ああああああっ、チークの言う魔物てのは、あれか!」
「巨大だ、なんだあれは、ヤバイだろ!」
チークが話していた矢先に上空に、森で飛行した魔物が着地してきたのだ。
俺の瞬間移動が速過ぎたのもあるが、間に合ったと言える。
きっと俺がいるので驚くはずだ。
翼を上下に動かすと、大きな風が舞って、村の広い敷地に着地した。
体が巨大だな。
イフリートスやオークキングよりも大きい。
魔力も強大なのは間違いない。




