『149話 ダークエルフ32』
『149話 ダークエルフ32』
「Bランクよりも下???? あり得ない!」
「信じるしかない」
「嘘だあああああああ、Bよりも低いはずない。この強さは異常だ、Aか、信じたくはないがSランク級としか考えられない!」
「違う、Bランクよりも下のランクだ」
「じゃあCランクか?」
「もっと下だろうな」
「じゃあ、じゃあ、Dランクか?」
「Dランクよりも低いだろうか」
「ああああああ、じゃあ、Eランクとか?」
「まあ、そんなとこだろうな。ギルドには俺の強さははかれないから、どのみちランクの意味はないけどな」
「Eランクのわけねえ。俺がEランクに負けるわけないからだ」
「なぜ信じない。信じるにせよ信じないにせよ、ここで終わりだ。次は肩がいいか?」
いくら説明しても信じないから、会話する気もなかった。
「死にたくないたああああああああああああああああああああ、化け物に勝てるわけない」
俺がSランクと思い込んでグレムリンは、気が狂ったように言い出した。
最初の威勢の強さはどこに行ったのかと思える。
「凄いですロメーロ。私の予想を超える強さです。やはり勇者パーティーにいたのは本当です!」
チークが後方から俺の圧勝を見て言った。
もはや戦意喪失しているグレムリンだったが、チークの言うのを聞いていた。
まあ、聞いても同じだが。
「なんだと……勇者パーティーにいた? それじゃこの強さも納得できるじゃああああ、まさか勇者パーティーが相手してたとは!」
「正確には追放されたのだがな」
「どちらも同じだ。勇者パーティーが来たなら話は別。直ぐに報告しないと不味いべえええ」
俺が勇者パーティーにいたと知ると、グレムリンは地面から立ち上がり、報告と言った。
報告か、やはりまだ何かしらの魔族がいるらしいな。
グレムリンごときで、これだけのことを考えて実行するのは、いささか無謀と思っていたので、グレムリンを命令して動かす奴がいる。
それもこの近くにいるのかもで、なぜグレムリンがみんなと違う方向に、しかも森に逃げ込んだのかが気にはなっていた。
どんなのがいるのかは、今のところ不明。
報告と言ったから、立場は上の魔族と確定した。
ここで殺すのは簡単であるが、殺すよりも逃がすのがいいかな。




