『136話 ダークエルフ村19』
『136話 ダークエルフ村19』
「村はパニックになり、戦いをするし、逃げるダークエルフもいる。そんな中で裏切り者が本性を現すと俺は思っている。本性を現したのなら、俺がやる。アスカはもう暴れなくていい」
「村の中に裏切り者がいる、それを私がグールになることで、慌てる者がいるのを見つけるわけですね」
「これはアスカがとても重要な仕事になる。アスカが失敗したら、全て失敗だ」
「責任重大ですわねアスカ」
「グールの姿でも責任感じるのは不思議。でも頑張る。ロメーロ様の趣味なら頑張ります」
「俺は普段のアスカがいいけどな」
「ほ、ほ、ほ、本当に! ロメーロ様から直接言われるとは嬉しいですわ」
「でもグールですけど」
「チークはうるさい。ロメーロ様、チークはオークキングにしてください」
「オークキングか。けっこうでかいぞ」
「おやめください。私はオークなどにするのは。最悪です、死んだ方がましです」
「グールマスターとオークキングか、いいかもな」
「本気でしたか、絶対に嫌です。アスカだけにお願いします」
「とにかく私は村を襲えばいいのですね。名演技をします。長老との対談では失敗したけど、今回は必ず成功させます。見ていてください」
「頼むアスカ。この作戦はアスカの演技で全て決まる。アスカで失敗したらすべて失敗だ」
「責任重大です」
「骸骨姿で責任を言うと、あまり説得力がないですが」
「チークに食いついてもいいのよ!」
「来ないで、来ないで!」
アスカにはグールになってもらい、村で暴れるのを演出してと伝えたところ、アスカは頑張ると言ってくれた。
準備は整った。
あとは実行するだけだ。
成功するかはわからないが、やってみるしかない。
「アスカは、裏切り者を見つけたいの、エルフ側の人なのに?」
「最初は、なぜ私がって感じ。だってエルフ国が正しいと信じてきたし、ダークエルフは裏切りしたと教えられたから、エルフからしたら常識。国王は国民に、そう説明したの。エルフはみんなダークエルフを嫌いになった。でもロメーロ様と村に来て、長老の話を聞くうちに、私の考えに迷いが生まれたの。本当に国王がしたことは、正しいのかなて。国王は私の父親でもあるけどね」
「アスカが悩んでくれて、私もエルフに対する考えは少し変えないといけなくなるわ」
アスカが悩んでいたのはいい事だろうし、お互いに完全に、にらみ合いがなくなればいいのが俺の仕事だな。
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