『133話 ダークエルフ村16』
『133話 ダークエルフ村16』
翌朝になり、起床した。
宿屋で食事も取ったので、計画を実行する準備に取り掛かる。
アスカは俺の横で寝ているが、服がはだけているので、着せた。
ちょうどチークも部屋に現れた。
「おはようござ、すみませんお邪魔でしたね」
「かまわない、気にしないでくれ。話がある」
アスカが露出に近い服装なので、戸惑っているチーク。
顔を赤くしていた。
俺とアスカの関係を想像してのことだろう。
「気にします」
「話があるから来てもらった」
「あれ、まだダークエルフのままだったの。部屋にいる時は元のエルフの姿に戻るのかと?」
「それね、どうして戻さなかったのロメーロ様」
「いつ、誰に姿を見られるか、わからないだろ。突然に部屋に店主だったり、知らない人が入ることもあり得る。だからアスカはダークエルフのままにしたのだ。嫌がってなかったしな」
もし姿を見られたら、いっかんの終わりだ。
言い訳は通用しなくて、チークがどう説明しても信用は失うので、アスカには悪いが、ダークエルフのままだった。
ただいつもと違う姿を楽しむところもあり、嫌がってはいないだろう。
「嫌がってました。どう考えても元のエルフ姿がいいに決まってる。でもロメーロ様がいつもと違うアスカを見たいなら、悪くはないですね」
「俺はどちらも同じアスカとしか見てないが」
「それって私のことを好きってことですよね」
「思い込みが強いな」
「ロメーロ、話をお願いします」
「そうだったな」
「もっとロメーロ様が私をどう思っているかを聞きたい」
「その話はしない。村の話だ」
「なんだ、もっと聞きたいのに~」
「それより服を着てくれ、話ずらい」
「ロメーロ様が着ろというなら着ます」
チークが宿屋に来たところで、俺の作戦を実行に移すとして、まずはアスカがこの作戦のキーになる。




