『132話 ダークエルフ村15』
『132話 ダークエルフ村15』
「エルフ同士で憎むのを望んでいる勢力か。もしロメーロ様の言うのが当たっていたら、私の父親である国王は、とんでもない過ちをおかしたとなる」
「アスカ、国王に言ってよ。父親でしょ、アスカにも責任あるのよ!」
「今は言えないよ。ロメーロ様といたいから。国王には会えない。でも他人事ではないです。私はずっと疑わずにダークエルフを裏切り者と思っていました。これが違うとなると大変な間違いをしたとなる」
「ロメーロはどうでもいい、早く国王に!」
「どうでもよくない、ロメーロ様と私を引き裂く気ね!」
「おいおいアスカ、静かに。宿屋の店主に怒られるぞ」
「すみません、つい本気になってしまいました」
「私もです」
「俺の考えにアスカとチークは乗ってくれるかい?」
こうなったら俺の器用富豪スキルが鍵になる。
エルフ国はアスカの故郷でもあるわけで、そのまま放置にはしたくないのがある。
俺の存在を知ってか知らぬか、魔族なら器用富豪スキルの存在を思い知らせるしかない。
それには俺一人では無理で、協力者が必要となり、アスカとチークに協力してもらおう。
「ロメーロ様の協力なら、いつでも」
「協力します。必要なら長老にも相談します。長老はダークエルフとエルフを一緒に暮らせるようにしたい」
「いやアスカとチークだけでいい。どこに裏切り者がいるか、わからないからな。明日になったら実行したい」
長老にも言わないでおくのは、あくまで秘密のまま実行したい考えがあるし、一度しか使えないからで、村の人にも伝えずに行う予定だ。
「ロメーロ様と寝るのは、アスカは覚悟ができてます。皇女である私をロメーロ様の物にしてください」
「俺はもう寝るからな」
「ご一緒に寝ます」
「アスカはロメーロと一緒に寝るの?」
「寝ます」
「そこまでの関係だったとは、もう次期国王はロメーロで決定ですね」
「チーク、勘違いしないでくれ。俺は国王にはならない、そんな気はない」
「恥ずかしがらないで」
「皇女、今はダークエルフを先に救ってください」
「ロメーロ様と寝てからね」
「私は部屋から出ます。ゆっくりとお楽しみを」
アスカが俺を誘うようにしてくる。
胸を寄せて誘惑してきたので、俺が困った。
チークが見ている前で何をしているのだ。




