『123話 ダークエルフ7』
『123話 ダークエルフ7』
「ロメーロ様。本当に行くのです?」
「アスカはどうする、残るか。残るなら残っていてもいいが」
俺はどちらでも良かった。
アスカがダークエルフの村に行きにくいなら、残ってもらって構わない。
俺が一人で行く。
むしろその方が楽かも知れない。
アスカがいるとめちゃくちゃになる可能性もある。
「行くに決まってる。チークがロメーロ様を奪うかもしれないから。安心していられません。絶対に行きます」
「ええっ、私がロメーロを奪うですって?」
チークはさすがに困っている。
「そうよ。心配だから行く。ロメーロ様を奪いにくるダークエルフがいない保証はない。私も同行します」
「私はそんな気は。それにアスカは皇女でしょ、エルフ国に帰らなくていいのですか、国王が心配してませんか?」
「その話ならいいの、私はロメーロ様と婚姻する予定ですので」
「えええっ、婚姻?」
「おいアスカ、暴走するな」
「あら、本気ですよ」
「えええ、ロメーロは婚姻したのですか。そしたらエルフ国の次期国王ですか」
「勝手に進めるな。俺は国王になるとはいってない」
まさか国王の話が出るとは予想してなかった。
考えたこともない話に戸惑う。
一般庶民の俺には想像もつかないし、無理だろう。
「馬車がありますから、村までは案内します」
「馬車の心配は要らないな、チーク」
「えっ、村はセイウン国ですし、かなり遠いです。私もここまで来るのに馬車でしたし、徒歩で行くのはとても時間かかります、長旅になってしまうかな」
「えっへん、チークよ、ロメーロ様の実力をまだ知りませんね。ロメーロ様はスキルを使えます。馬車は必要ないのです」
俺が言う前にアスカが説明してくれ、手間が省けたのはいい。
しかしスキルに関しては体験しないと理解はできない。
チークのセイウン国は遠い。
時間がかかるので瞬間移動が便利だ。
「全く意味がわからないです。馬車よりも早い移動は無理です」
「まぁそうだろうな、俺のスキルは器用富豪スキルといってな、移動ができる。先ずはカイザール国からセイウン国に移動しようか」
器用富豪スキルの瞬間移動スキルで行くのがベストだろう。
直接に行くよりも、セイウン国の王都に行き、そこから村に2段階の移動で行くのが、わかりやすいかな。
あまり遠いと移動するのに、力を必要とするからだ。




