『119話 ダークエルフ村3』
『119話 ダークエルフ村3』
「チークに聞きたい」
「はい」
「俺を探していたのだろ。どうして俺が、今の話に関係ないと思える。他の人の間違いではないか?」
「いいえ、ロメーロを探していたの。村は魔族との繋がりがないのを証明しようとした。それで勇者オリオンのパーティーに依頼をした。オリオンはとても強いと知られてますから。魔族を探してもらい、エルフ国に証明すれば、またエルフ国に戻れると考えたのです」
「勇者オリオンのパーティーに依頼か、それなら間違いだな」
まさか勇者オリオンの名前が出てくるとは思っていなかったが、残念ながら俺は追放されて、オリオンのパーティーにはいないのを知らないのだろう。
オリオンに頼ったところで何もできないとは思うが。
まあ俺の方に来たのは正解だな。
「そうよ、ロメーロ様はオリオンのパーティーから追放されたのよ。まぁロメーロ様から追放してやったと言ってもいいけどね」
「俺が追放されたんだ」
「知っています」
どうやら知っていて、それでもチークは俺のところに来たのであったのは、チークの考えの先が見えない。
今の話なら直接オリオンの所に行くべきだし、それで良いだろう。
なのにチークは俺を選んで来たとなると、チークは俺の及ばない考えを持っているな。
いったい何だろうか。
「オリオンの所には行ったのか。オリオンに頼めばいいはずだが」
「エピック国のギルドに直接に頼みました。しかし勇者オリオンの破滅の団を派遣は出来ないと。なぜかと言うと、エピック国はエルフ国と友好があるため、エルフ国を刺激するようなことはしないと言いました。つまり破滅の団には断られたのです」
「そうなのかアスカ、エルフ国とエピック国は仲がいいのか?」
「はい、そう聞いてます。実際に私がグールマスターにさらわれた時もオリオンの破滅の団に依頼を出しましたからね。ただその時はオリオンは来れずにいた。別の依頼を失敗していて、ゴタゴタしていたのでしょう。ざまあみろです」
アスカに聞いてもエピック国とエルフ国が友好なのは確かなようで、そうなるとダークエルフは両国にとっては敵となるわけだ。
エピック国ギルドは国の機関であるので、当然にエルフ国側にいるので、ダークエルフの依頼を受けるのは絶望なわけだ。
それで俺のところに来たらしい。
俺は特別にエピック国ともエルフ国とも繋がりがないし、エピック国から出てきたのだ。
どちらにも肩入れしない俺なら、チークの望みを受けるのは可能だな。
俺を選んだのは正解か。




