『118話 ダークエルフ村2』
『118話 ダークエルフ村2』
チークはアスカに最初は気づかなかったらしく、エルフとわかり、かなり興奮している。
ここは飲食店なので、あまり派手に言い争いは避けて欲しいものだが。
「ちょっとアスカ、落ち着け。なぜそんなにムキになるのだ。俺は理由が知りたい。ちゃんと話してくれ」
「ロメーロ様は知らないようなのでお話しします。実はエルフ国はエルフとダークエルフが一緒に暮らしていたの。それはかなり前になる。それがある時からエルフ国からダークエルフ全員を追い出したの」
「追い出したのは本当なら、相当な理由があったからだろ」
話は聞いていたら、ややこしい話になりそうであり、民族の争いごとになるかもだ。
そうなるととても難しい話になり、お互いに戦いに発展することもあると聞く。
穏やかな話ではないとわかった。
「はい、ダークエルフは魔族と裏で繋がりがあったの、それで魔族と手を組み、エルフ国を支配する気なのです。それをエルフは知り、国王はダークエルフを追い出したのです」
「違いますよ!」
「それじゃ私が嘘をを言ってると言うのチーク?」
「そうです。ダークエルフはみんなエルフ国から出て、村はこのカイザール国の隣国、セイウン国内に移動したのです。そこに村を作り、生活を始めたのです」
「大変だな、新しい土地で生きていくのは。苦労したのだろう」
どうやらダークエルフは魔族と繋がっていて、それでエルフ族側から国を追放されたようだった。
魔族と繋がるのはエルフにとっても驚異であり、一緒には暮らせない理由だな。
ただ本当に魔族と繋がっているかはチークは否定している。
どれくらいダークエルフが人数がいるのかは知らないとして、新しい土地での生活は大変に思える。
だからかアスカに恨みに近い感情を持っている。
ダークエルフが追い出されたとして、それで俺に何を求めるのかな。
まさか戻りたいとか言うのか。
ちょっと難しいだろう。
「そりゃ苦労しました。だからエルフを見ると憎しみになるの」
「こっちも同じですわ」
「まあまあ、ケンカされても俺が困るだろアスカ」
「はい、すみませんですロメーロ様」
同じ種族であるダークエルフに、今までになくハイテンションなアスカに、俺は静止させた。
チークが俺を目的で来たのは明らかで、それが重要だと思うからだ。
俺のところに会いに来たと思える。
きっと俺が最近ギルドで大いに話題になっているし、エルフ国の皇女アスカを救出したと有名になったのもある。
俺に助けを求めているなら、無視はできないな。
ただ魔族か。
また器用富豪を使えというのかな。
ガブレラ神が関係している件には思えなくて、むしろイフリートスを討伐する方が楽だったかもな。




