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『116話 勇気オリオン』視点

『116話 勇気オリオン』視点



「でもねオリオン、出ていったリアンが言ってたのは、ロメーロは私達を守っていたのだと、それに私達は全く気づいてなかったのと言ってた。リアンの話が本当なら、私達の勘違いしているてことよね。本当に強いのはロメーロで、私達はロメーロに守ってもらっていて、ロメーロが追放されて、カイザールに行ったら大活躍。逆に私達はギルドから怪しまれる。話が通るのよ。リアンが言ってたのは正しいのじゃない!」


 ハニーは正直に言ってしまった。

 大神官リアンが言っていたのが本当ではと疑問に思ったからだ。


「うるせえええええええええええええええ、黙れハニー!」


「きゃああああ、そんなに怒らないでよ!」


 いきなり怒鳴ったオリオンに驚く。

 普段はなかった行動だった。


「怒るに決まってるだろ、もう二度とロメーロが正しいとか言うな。ロメーロを認めるとか言うな、わかったか!」


「わかったわよ、だからそんなに怒るのはやめて」


 怒るつもりはなかったのに、ロメーロが正しいとなったら、ついハニーを怒鳴りつけてしまったのは、情けなくなったオリオン。


 ハニーを怒鳴りつけても仕方ないのはわかっているが、ロメーロか評価されるのが許せないのだ。

 なぜならリアンが出て行ったので、落ち着きがなかった。

 怒りが抑えきれなくなっていたのだった。


「オリオン、ちょっとハニーに怒鳴るのは良くないぜ。仲間だろ。それに、これからどうするかを話すべきだろ。どうするんだ、次に依頼が来たらよ!」


「黙れクランク。俺の言うとおりにしてくれればいい」


「なんだその言い方は、まるで自分以外はオマケみたいに聞こえる」


 クランクが気に入らなかったのか、突っかかってきて、ケンカになりそうなので、ここはオリオンが引くしかない。

 これ以上言うと破滅の団が崩壊しかねないからだ。

 全部ロメーロのせいにしてやるからな。


「悪かったクランク。調子が悪いから、ハニーにも当たってしまったんだ、悪い悪い」


「良い結果を出せばいいのよ。今までそうやってSランクにまでのぼりつめたのでしょ。今はちょっとスランプなのよ」


「そうだな。直ぐに調子を取り戻そうな」


 ハニーは調子を取り戻そうと言うが、本当に戻せるのか。

 考えれば考えるほどにロメーロがムカつく。

 こんなにもムカつくのはなかった。

 ロメーロが最初だ。

 このムカつきをロメーロにぶつけてやりたい。

 どうにもならない、ムカつきをとオリオンは憎悪した。

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