『108』
『108』
扉が開いたので、その方向に顔を向けた。
扉にはライネ姫がいた。
ライネ姫も今日は宿に宿泊していたのは知っていて、でも何をしに俺の部屋に。
しかも今はナミュール王女が服を脱いでいて。
「あの~、暖かい飲み物でもと思って持ってきたのですが、お邪魔でしたね」
「違う、違うライネ姫、これはそういうことじゃない!」
俺は慌ててライネ姫の誤解を解こうとした。
「でも、ナミュール王女が服をぬいでいますが」
「これはね、私が脱いだの」
「ナミュール王女の方からとは。王女も手にするとはさすがですね」
「違うぞ」
だめだ、俺が言い訳してもライネ姫は、俺が脱がしたと思っている。
さらに悪いことにアスカの声もした。
来ない方がいいのだが。
嫌な予感しかしない。
「ロメーロ、様、これは、ナミュール王女! ロメーロ様を誘惑しましたね! 許せませんよ!」
「いえ、誘惑ではなくて、その」
「落ち着けアスカ、勘違いだ」
「もう~ライネ姫の声がしたから、来てみたらこのあり様。落ち着いていられません。ですので今日はロメーロ様の部屋で寝ます!」
「わかった、寝ていいよ」
ナミュール王女に対して、怒りだすのでなんとか静かにさせる。
アスカは俺の部屋で寝るとなり落ちついた。
ナミュール王女とライネ姫は自分の部屋に戻ってもらった。
温泉も混浴で忙しかったし、高級宿でも一波乱あり、忙しい。
明日には王都に出発するけど、早く出発する方がいいな。
このメンバーえ長くいると、また何かありそうだった。
高級宿ではアスカと同じベッドで寝る。
その方が静かだった。
翌朝になる。
高級宿を出る。
店主のファルナが見送ってくれた。
後は王都に帰るだけとなった。
「ロメーロのおかげで街は救われました。王都に出発してください。古城は魔物に破壊されましたが、少しずつ改修工事はしていきます」
「けっこう壊れているからな。改修は時間がかかるだろうけどな。イフリートスと戦って、あの程度の被害なら良かったと思う。俺が改修を手伝えるけど、また来るからその時にでも手伝うよ」
「ありがたいです。またロメーロが来るのは待っています」
「ロメーロ、ロメーロ、ロメーロ!」
「ロメーロありがとう!」
「ロメーロは街の英雄だ!」
俺の姿を見ると、人々から大声援が起きた。
俺は手を振って返事する。
「凄い人気です。古城に来て一日で英雄の伝説を作った。ロメーロ様がいれば魔族も怖くないです」
「だといいけどな、これからはわからない、アスカも俺と来るなら覚悟がいる」
「もちろん一緒に行きます!」




