『107』
『107』
「実はロメーロにはお願いがあります。カイザール国の国王にはまだ話していませんが、この国の勇者になるのはどうでしょうか?」
「俺が勇者ですか。ずいぶん急ですね」
いきなり話してきた内容は、俺を勇者に使命するというもの。
あまりの急な内容に困った。
俺には勇者になる考えはないからな。
「はい、なぜならカイザール国には現在勇者がいません。勇者を任命していたけど亡くなりました。ですので新たな勇者を任命したいと国王は考えていますの」
「残念ですが、俺は勇者をしたいとは考えてません。王女の頼みでも難しいです」
王女の頼みで評価されるのは嬉しいことだが、ここははっきりと断っておきたかたった。
「オリオンの破滅の団はエピック国の勇者パーティーです。我が国にも勇者パーティーを早急に作る必要があります。イフリートスが国内に現れたからには、国の危険は最高に危険レベルでしょう。ロメーロなら十分に勇者パーティーの資格があるのです」
「他にも候補者はいるのでしょ」
「ええ、います。国内で活動するSランク冒険者らです。ですがロメーロは強いです。勇者パーティーがダメなら、カイザール国の力になってくれるのはできますか?」
「それなら問題なく力になれる。ナミュール王女の力になれます。俺は今後は魔王とも戦うと考えている。だからカイザール国が魔王やそのクラスと戦うなら俺は全力で力になると約束します」
器用富豪スキルがある限り、カイザール国の危機は防がないといけないし、それが器用富豪スキルが与えられた俺の仕事だからな。
ナミュール王女の不安にこたえるようにしたい。
きっと王女は不安なんだろう。
イフリートスが出現していて、王都も安泰ではないと思ったのだ。
その気持ちがわかるほどナミュール王女の顔は不安そうだった。
「もしカイザール国の為に戦ってくれるなら、私の体を、」
「何をする、やめるんだ」
ナミュール王女は俺の前で服を脱ごうとしたから、俺は止めた。
王女は体を使い俺に何とか守って欲しいと思った。
だが俺はそんなのは要らないので断る。
「すみません」
「いいえ、王女の気持ちはわかった。国を何としても守りたいのと。自分の体を使ってでも守りたいと俺には十分に伝わった。その気持ちだけで十分です。俺は必ず守るのに協力します」
「ありがとうロメーロ。感謝します」
ナミュール王女は俺の説明で納得してくれたのは良かった。
だがそこで部屋の扉が開いたのだった。




