『106』
『106』
「ございます。料理も食べて、温泉に入っていただきました。最後は宿泊ですね。古城の街でも最高の高級な宿を我が一族が経営してます。そこに宿泊ください」
「私もすでに宿泊してますから」
「ナミュール王女は宿泊している宿なんかに宿泊していいのかい?」
「どうぞ、父も喜んでいますので。案内します」
温泉施設から高級宿に移動した。
高級宿は思った以上に高級感があった。
ナミュール王女が宿泊するくらいだから、一般的な宿とは違う。
宿の前にはしっかりと警備兵も配置されていた。
「兵士もいますね」
「ナミュール王女が宿泊するので、いつもよりも兵士の数は増やしています」
宿に入るとすでに宿の店主が待っていた。
女性店主はお客である俺達に挨拶する。
「どうもライネ姫様。宿泊の用意はできております。ナミュール王女の部屋とは別にロメーロとアスカ皇女の部屋を用意しております」
「急で悪かったな」
「私は店主のファルナです。ではロメーロとアスカにはそれぞれ部屋が用意してありますので、案内します、どうぞ」
「どうも」
ライネ姫とともに部屋に行く。
一人に一部屋あてられた。
「ここがロメーロの部屋です。ごゆっくり」
店主のファルナが説明した。
俺だけの部屋だった。
広くて高級宿なのは、入ってみて実感する。
高そうだな。
普通の冒険者では絶対に無理な金額の宿だろうな。
ライネ姫が宿泊していいというのだから、甘えていいと思う。
滅多にないことだし、イフリートス戦の疲れもある。
しばらくしてベッドに横になったら、部屋の扉が叩かれた。
誰か来た。
誰だろうか?
もう夜だし、俺の部屋に来るとしたら店主ファルナかな。
「誰かな」
「ロメーロ。話があります。入ります」
「ナミュール王女? 話ですか。どうぞ」
扉を開けると店主ではなかった。
居たのはナミュール王女だったから戸惑ってしまった。
なんでナミュール王女が来るのだ。
来る理由がない。
とりあえず部屋に入れた。
「話ってのは?」
「はい、ロメーロには私から考えがあって、それを言おうと思いました。それを話します」
部屋に来てまでも話したい内容は興味があった。
「話てくれ」




