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第八話

すごく遅れてしまって、本当に申し訳ありません!

「いらっしゃいませ~」


 俺達は旅館についた。


「予約していた天音です」

「えぇーと......天音様ですね。お部屋にご案内致します」


=====


「こちらのお部屋でございます」


「広いわねぇー!」

「外の景色もよく見えるよ!」


 この旅館が高台にあるからか、遠くの景色までよく見える。青い空と緑の山が見えていい景色だ。

 そういえばこの旅館には温泉があったような......


「うふふ......当館には名物の温泉がありまして。そこからの景色もいい眺めですよ〜!朝の6時から夜の10時まで開けておりますので、ご自由にお入りくださいね」

「はい。ありがとうございます」

「では、ごゆっくり〜」



「さて。ネプちゃん、ごめんなさいね、もう部屋についたわよ」

 仲居さんが部屋の外に出たのを確認してから、母さんがスマホを取り出して、ネプに呼びかけた。


『ん、そう?ありがとう!

 ......わぁ、すごい景色だね!』


「そういやネプ、ここの温泉ってスマホの持ち込みがOKらしくてさ、一緒に来る?」

『えっ、いいの?』

「勿論、ネプが良ければ何だけどな」

『行きたい!』


「で、なんだけどさ」

『ん?』


「ネプってさ、男?女?」


 俺はネプにそう問いかけた。

 性別なんて関係ないと、設定していなかったが、今までの数日で精神的にどちらに傾いているかはわかるはずだ。


『んーと、まず僕は現実世界に生きているわけじゃないから、生物的な雌雄の存在は無いことは理解しててね』

「うん」

『ネット上のデータと参考して、僕の精神的に男の子と女の子のどっちに近いかを見てみたんだけど、どうやら女の子の方が近いみたい』

「へ、へぇ......」

「じゃあ、ネプちゃんは私と一緒に行きましょ!」

『うん!わかった!』




「じゃ、俺達も行くか......あ、父さん、忘れ物はないよね?」

「大丈夫だ!悠衣さんが全部用意してくれたからね!」

「そ、そう。それなら安心だね」


 そしてジェットバスや電気風呂などの、スーパー銭湯化と思わずツッコミたくなるような温泉、夕焼けが良く見える景色のいい露天風呂を堪能し、温泉を出た。


「あ〜いい湯だった〜」

「ね〜!」


 時刻は約19時半。ご飯時だ。


「悠衣さん達が来たら食堂に行こっか」

「そうだね~」



「——ネプちゃん、露天風呂の景色はどうだったかしら?」

『部屋とも違ってすごい良かったよ!』

「それは良かったわ。うふふ......あらあなた、蒼空、待っててくれたの?」

「うん。そろそろ食堂に行こうって話をしてたんだけど、行く?」

「いいわねぇ......そろそろお腹空いてきたしね」

「じゃ、行こっか!」


 そして俺たちは食堂に向かって歩き始めた。

 そしてゲームセンターを超えたあたりで......



 見覚えのある人を見かけた。


「っ!!」

「え、蒼空、どうしたの?」

「蒼空、急にどうした?」


『すまん蒼空、こっからは一人で頼む』

『わ、わかった』


「——い、いや、何でもないよ!さっき見かけたゲームが何だったか思い出しただけ」

「そう、何かあったらちゃんと言ってね?私達()()なんだから」

「お、食堂ってあそこじゃないか?......蒼空は何が食べたいんだ?」

「えっ......オムライスとか?」

「あればいいなぁ、オムライス」

「そっ、そうだね!」


 何故?何故だ?何故あいつが......



 瑠璃がここにいるんだ!?


 前に瑠璃が住んでいた場所を聞いたことがあるが、京都(ここ)ではなかったはずだ。


 まさか、瑠璃も旅行に来たのか!?京都(ここ)に、この旅館に、この日に?

 なんて確率だよ!!ありえないだろ!


 というか......隣りにいる人が瑠璃の両親か?

 確かに、瑠璃に見せてもらった家族写真に写っていた人達と似ているが......


 っ!!瑠璃がこっちを見た!?

 ......いや、そんな訳ない。たまたま、そう、たまたま俺達が居る方を見ただけだ!だから瑠璃がこっちに向かってきてる訳がない!俺達の後に用があるだけっ!!


「ねえ、君、ちょっといいかな?」




 うあああああああああ!!!!

「えっと、なんですか?」


「ん......本当にこの子か?......そうか、そうだな」

「あの......」

「んっ、あぁ、すまない。君達はこれから夕食を食べるのだろう?実はボ...私はここに何度か来ていてね、裏メニューを知ってるんだ。それが絶品でね。私から料理長にお願いして注文することもできるんだが、良ければどうだい?」


 裏メニュー?どういうことだ?何故そんなことのために......


「いいの?」

「ああ。勿論」


「えっと、お母さんとお父さんはいいの?」

「注文しに行くだけだから、そんなに時間はかからないだろう。だから大丈夫」

「そう......ならいいけど......後でご両親にご挨拶させてね?お礼も言わなきゃだし」

「......そうですね、後でボ...私から言っておきます」


「えっと、それで、その裏メニューってなんなの?」

「数種類あってね、まずオムライスと、」

「オムライス!?本当!?」

「あ、あぁ。後は海鮮丼とか......」


 なんだ?なんのために蒼空に接触した?



 ......俺が関係してるのか?


 いや、だが......今の瑠璃にとって俺、創星はなんにも関係性はない筈。

 なにか別の目的があるのか?


 ......まぁ瑠璃がやることだ。悪いことではないだろう。




 それに......瑠璃が元気な所を見られてよかった。

「——あぁ。ボクもだよ」


 っ!?




「だよね、オムライス美味しいよね!」

「ここのオムライスは特に卵が絶品でね、塩加減が丁度良いんだ」


 な、なんだ。オムライスの話か。


 思考に没頭していて会話を聞いてなかった。


 もう、席についていたのか。


「じゃあ、ボクはもう行くよ。父さんたちには後で言っておくから、ご飯食べ終わったあとにでも休憩所に来てもらえたら助かる」


「わかったわ。ありがとうね、瑠璃ちゃん」

「いえ、大丈夫ですよ。ボクも料理長さんに、

 『裏メニューを作ったはいいけど、在庫が余っちゃうから他に泊まってる人がいれば伝えてね』

 と言われてましたから」

「それって裏メニューって言うの......?」

「さぁ?通常のメニューには乗っていないから裏メニューと言うんじゃないか?」

「そういうことね」



「んっ、本当に美味しい!」

「そうね!この海鮮丼も絶品よ!」

「この鰻丼も美味しいよ、皆食べる?」

「うん!じゃあ、このオムライスどうぞ」

「ありがと、はいどうぞ」




 それから蒼空達は、仲良く夕食を食べていた。


 そして俺は、



 瑠璃が物陰からこちらを見ているのに気づいて、気まずくなっていたのだった。

本作を読んでくださり、ありがとうございます!


少しでも、

「面白い!」

「続き早く書け!」

「瑠璃が接触してきた!?」


 と思った方は、下の☆☆☆☆☆を★★★★★に変えてくださると幸いです!


 それだけで私のやる気はどしどし湧いてきますので!!

......皆さんよろしくお願いしますね!

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