「ベン&パウルvs幻影の王 ~サケマル食堂防衛戦~」 開幕――!!
食堂の天井に亀裂が走り、重力が狂い始める。
幻影の王は、双剣を構えながら黒い炎を纏い、ゆっくりと歩み寄ってきた。
幻影の王:「……もう、間に合わんぞ。ここは、こちら側に呑まれる」
Player:パウル(2丁拳銃を構え直し):「こちら側……?」
Player:ベン(血まみれのまま大剣を引きずり):「テメェ、何言ってやがる……!」
王の発する言葉は、兄弟には意味が分からなかった。
ただ、彼の背後に広がる黒い亀裂が、この世界の終焉を告げているのだけは、本能で理解できた。
幻影の王:「知らずとも良い。いずれ、“お前たち”は知ることになる。己が、何のために選ばれたのかを――」
Player:ベン「うるせぇ!!!」
怒号と共に、大剣を振り抜くベン。
パウルも連携し、錬成弾を撃ち込む。
バババババババンッ!!
だが――王の力は桁違いだった。
すべての攻撃は、王の周囲に発生する黒き結界に弾かれる。
Player:パウル(冷や汗):「効いてねぇ……!」
幻影の王:「……戯れは、ここまでだ」
彼が双剣を交差させると、サケマル食堂全体に闇の爆発が広がった。
兄弟は吹き飛ばされ、床に叩きつけられる。
Player:ベン「ぐっ……!」
Player:パウル「クソ……兄貴、大丈夫か……!」
食堂の天井が崩落し、NPCや客たちの悲鳴が響く中、
兄弟はボロボロになりながら、それでも立ち上がる。
Player:ベン「パウル……悪いな……俺、ちょっと、限界かも……」
Player:パウル「バカ言えよ……!まだ……」
だが、その時。
王の双剣から放たれた光が、兄弟を貫いた。
≪システムメッセージ:エリアバグ発生≫
≪警告:未知の領域への転送を開始します≫
Player:ベン「――あ?」
Player:パウル「な、なにこれ……っ!!」
二人の体が、闇に呑まれていく。
周囲の景色が、ぐにゃりと歪む。
幻影の王:「我が名は、ヴォルク=カイザー。
この先、必ず再び相まみえよう……選ばれし、兄弟よ」
幻影の王ヴォルク=カイザーの攻撃により、世界がぐにゃりと崩れ始める。
兄弟――ベンとパウルは、抵抗する間もなく暗黒に呑まれていった。
Player:ベン(意識が遠のきながら):「……ここ、どこだ……?」
Player:パウル(声もかすれながら):「……兄貴……まさか、これは――」
だが、答えはなかった。
彼らの意識は、深い深い闇に沈んでいった。
世界が終わった。
そして、すべてが――