第一章 前編
書きたいときに書くので、不定期です。今は忙しいですが、頑張って最後までは書くので、ささやかに応援してもらえると励みになります。
Player:女勇者「テヤーーーー!!」
女勇者が高等魔法剣を振りかざしてきた。
Player:ベン「仕方ねーだろ!(笑) ヒューマンとアンデットのカップルなんて見たことなかったんだしなっ」
タカフミことゲーム内個体名ベンは、敵の攻撃を軽々と避けながら言い放った。
Player:アンデッド魔導士「カップルじゃねーよ!!!怒」
続けて、敵のアンデッド魔導士がバーサス状態で味方に能力向上魔法”サポート”を打つ。
Player:女勇者「そうよ!クロモチさんのいう通り、私たちカップルじゃないし!おっさん2人組のパーティーだからね!!!!怒」
と言いながら、能力が向上した状態で高等技術”乱れ突き”でベンの態勢を崩す。
Player:ベン「おい、ヨシマサ~!!ちょっとこの2人をなだめてくれよ」
片手で女勇者の魔法剣を受け止め、カウンター席で座っている弟に助けを求めた。
Player:パウル「俺はそんなの興味ないんで、兄貴が何とかして」
Player:ベン「いいだろ。久々にログインして会ったんだから、ちょっとぐらい手を貸してくれよっ」
Player:パウル「次の総会までに、ネオジェスタの今後の活動展開の資料を作って置かないと、皆に顔向けできないんだよー」
ヨシマサことゲーム内個体名パウルはゲーム内資料作成ツールで忙しくタイピングしている。
Player:ベン「はい、そうかよ。」
闇の魔法攻撃がベンに向かって、放たれた。
Player:アンデッド魔導士「ふんっ!!戦闘中によそ見をしてはいけませんな~~~~!!!!!(笑)」
Player:ベン「うるせーぞ!この骸骨野郎」
と瞬時にアンデッド魔導士の背後に回り、片手で頭を掴み、身体を持ち上げる。
Player:アンデッド魔導士「なに!?お前、何をする!?もしかして、チートでも使いやがったな!!貴様!!!」
Player:ベン「お前ら相手に使うわけがねーだろ?」
そのまま魔導士の顔を握り潰した。
〈グシャ〉
骨が砕ける音が店中に響き、周りの客たちが一斉にこちらを見た。
Player:女勇者「いや、やっぱりチートよ!チートを使ってるわっ!」
Player:ベン「使ってねーよ」
頭をかきながら、ベンは言う。
Player:女勇者「じゃあ、どうやって、使用規制がかけられている店内で、瞬間移動なんて、出来るのよ!!そうよ、きっとチートを使ってるに違いないわっ!!残念だったわね。あなた、もうじき運営からBANされるわっ!勝った気でいるだろうけど、あなたは不正をして負けたのっ!!?オ・ワ・カ・リ・かしらっ???」
≪警告 player:女勇者/個体名「アンナ」様とその一行は、公共施設 サケマル食堂において、秩序を乱した責任を取っていただくため、強制レベルダウンを30秒後に行います。≫
運営からの自動音声アナウンスが店内に流れた。
Player:女勇者「うそよっ!!ありえないわっ!!あいつらチート使ってるじゃない!!なんで私なのよっ!!」
≪答 Player:ベン/個体名「ベン」は、ネームドランクの為、クリアリングプレイヤーワールドにおいて全ての制限が解除されています。又、個体名「アンナ」様が訴えるようなチートの使用は個体名「ベン」様には見受けられませんでした。≫
Player:ベン「俺、強くて、、、、ごめんな。」
客A「うへ~、道理で強えーわけだ。」
客B「確かにな、ネームドなんて、マジで実在したんだな。俺初めて見たぜ」
客C「って事は、カウンターで座ってた奴ももしかして?」
客A「ああ、パウルって呼んでたから、そうに違いねぇな」
客B「あの女勇者も、相当な手練れで、かなり高ランクだろうに、あの有名兄弟には勝てねーわな」
Player:女勇者「うっ!うそっ!うそよっ!!やめて、こんなの酷すぎるわ!!」
≪それでは只今から、「アンナ」様とその一行を待機部屋までテレポーションしたのち、強制レベルダウンを開始いたします。≫
〈シューン〉
テレポーション音が流れ、店内は静けさを取り戻し、北欧音楽のようなBGMがかかり始めた。