02 下手くそ兄ちゃん
前話が免許の話なのでついでに
高3の11月ぐらいの話。
急にバイクの免許が欲しくなりましてまた教習所に通うことにしました。
東京出ても駐車場なんて借りられないし、だったら中型というか原付二種が理想かなと。30km制限ないし維持費も安いし。原付二種取るよりは中型(普通二輪)取っといたほうが後々良いかなと。
車の免許は取ったので今度は学科本試験が免除。原付は高1から丸2年は乗ってるので自信はあるし。1発試験じゃなくて教習所通えばそこで合格すればいいだけなので。
で、教習の方は特に思い出すこともなく順調に進んだとしか記憶にありません。一緒に講習してる22ぐらいのお兄さんが下手くそでしょっちゅう怒られてて、それが僅かに思い出せるぐらい。それ以外同時期に実習してたのが20人ぐらい居たのかなぁ?男しか居なかったことぐらいしか覚えてませんよね。普段の記憶なんてそんなもんです。下手くその兄ちゃんはなんで覚えてるかって言うと下手くそでまだ免許も取ってないのに1人だけライダースーツ着てたんですよwそれで怒られてたので覚えてるのと、この後の事件の重要人物だから。他覚えてるのは教習車がCB400で格好良いのに転倒防止のパイプとかランプとかゴツゴツに付けられてて酷く残念な姿になってたことぐらいかなぁ。
2週間だったか10日だったか。まぁそんぐらい通っていよいよ試験本番です。
実は1つだけ苦手な試験がありまして、それが一本橋。
15mぐらいの幅30cmの板の上を10秒かけてゆっくり渡るって試験。
今とたぶん試験内容変わってると思うので、正確な長さと時間はわからないです。
他の試験と違うところは橋に見立てた板からもし落ちたら1発不合格。これがプレッシャーなんですよねえ。教習車ゴツゴツに飾られてるから重いし、たぶん大型の公道車より重いんじゃないかなぁ?
試験が僕の番になりまして、他はほぼ完璧に乗れたんですが一本橋がねえ、ちょっとやや速めに渡っちゃったかなと。
下手くそ兄ちゃんは相変わらず下手くそでライダースーツ着てて、受かれーとか願ってたのは覚えてます。
結果発表。
「番号が書いてあるところのランプが光った人が合格です。合格者は別室に移動してください」
受付のおねーさんがそう言ってボタンをポチって押すんです。
そうすると俺の番号のランプが・・・・光らないw
いやまぁ5分ぐらいその場で固まりましたよね。
ええええええつって。
他のとこ何もミスしてないよなぁ…。いや一本橋の減点そんなにキツイの?
とか自問自答しちゃって。3人ぐらい僕の他に不合格居たのでう~んって感じなんですけど、どうしても納得できなくてね。だってあの下手くそ兄ちゃんが別室に行ってるんだもの。
悩んだ末に勇気を出して受付のおねーさんに疑問をぶつけてみることに。
「あのすいません・・・」
「どうしましたか?」
「いや何もミスらしいミスしてないのに不合格おかしいと思うんですけど・・・」
「いえ、そういう試験ですので・・・」
「いや、原付ですけど2年半乗ってますし」
「そう言われましても・・・」
「〇〇番の人いるじゃないですか・・・あの人すごい下手で、あの人受かって俺落ちるってありえないんですけど・・・」
「・・・・」
「とにかくちょっと調べてもらっていいですかね?」
「分かりました。上の者に相談してきます…」
おねーさん事務所に引っ込む。1分か2分経った頃、扉がバンッて開いて、おねーさん俺の所にすっ飛んで来て
「申し訳ありません◯◯様!合格です!合格でした!」
「えっ原因なんだったんですか?」
「あ、あの・・・」
「はい」
「電球が切れてました・・・・」
「はい?」
「さ、ささこちらへどうぞ!」
つって別室に案内される俺w
別室すでに講習?みたいなの終わる寸前なのw
いやいやいやいやwこんなことある?w
高校生だったのでそれ以上何も言わんかったけど、今だったらふざけんなつって全額返金してもらって一発免許取りに行くわw
思ったのは俺、文句言いに行かなかったらどうなってたんだろうか?って言うのと、そのタイミングで電球切れたわけじゃなくて何人か不合格にしてるんじゃないかっていう疑惑。
よくよく考えたら俺すげえイタイやつでクレーマーじゃんw落ちたのに俺落ちるわけねーだろつって受付詰め寄ってるんだよ?wまぁそれだけ自信があったんですけど、下手くそ兄ちゃんが受かってなかったらそこまではしなかったと思うので下手くそ兄ちゃんのおかげでもあるかも。
あれで落ちてたら嫌になってバイクの免許取らなかった世界線も合ったと思うので、あの時の俺マジGJ!そして下手くそ兄ちゃんマジ感謝!