第6話 ~驚喜~
スーハースーハー、
落ち着け俺、
男はいつでも冷静沈着に。
南インド商会なんて
いくらでもあるじゃないか
いくら同じ名前でも関係ないはずだ
大きく深呼吸をして気を引き締める。
シンシア嬢は御屋敷の前に佇む
老年の執事に声をかける。
「ただいまセバスチャン。いま帰ったわよ」
タキシード姿のカイゼル髭がよく似合う。
「お帰りなさいませシンシアお嬢さま!
無事の帰還、爺は嬉しゅう御座います!」
執事はよほど嬉しかったのか泣いて喜ぶ。
「ふふふ。ありがと。
セバスチャン、いまって会長はいるの?」
ロマンスグレーのセバスチャンか、
はまりすぎだな。
「ただいま接客中でして、まもなくお手が空くかと」
全くもって所作が洗礼されている
さすがは本物の執事だな
「そう、では久し振りに
セバスチャンの美味しいお茶が飲みたいわね」
「畏まりました。
準備致しますのでこちらへどうぞ」
俺達は応室間に通され
執事の流れるような作法に
酔いしれながら紅茶を頂く。
お、茶菓子付きじゃないか!
つい一ヶ月前までは
当たり前のように食べてたお菓子が
こんなに美味しいとは!
ん~なにこれヤバイ
久し振りの甘味に泣きそうになったわ
「御待たせしました。ご主人様が御呼びで御座います」
夢中になって茶菓子を食べていると
メイドが呼びに来た。
俺のお菓子……
あと髪を引かれながら
メイドの誘導に従う
えらい広い御屋敷だな、
迷子になりそうで怖い
キョロキョロしながら
置いていかれないよう
メイドの背中を追いかける。
痩せすぎず太過ぎず
ヴィクトリア朝風の
メイド服が似合っている
やはりメイド服のスカートは
足首が見えるくらいの長さがいいね
中はペチコートに黒のワンピースと
フリルのついた白いエプロンによる、
ミルフィーユのような重なりが
フワリと捲れる様が至高だと思う。
とても良い趣味である
ここの主人とは
ウマが合いそうだ。
通路の一番奥まった部屋の前につき
メイドはドアをノックする。
「御主人様、お連れいたしました」
「中に入れ」
中に通されると、
そこには
チョイ悪親父風の
壮年のイケメンがソファーに座っていた。
「シンシア、ご苦労だったな。
よく見つけ出してくれた。ありがとう」
チョイ悪親父がシンシア嬢に向けて頭を下げる。
「いえいえ、
会長のご指示通りの人相・体格だったので
分かりやすかったですよ?」
シンシア嬢はおどけて首を傾ける
見つけ出す?
人相体格?
いったい何のことだ?
「久し振りだな、ダーノ!会えて嬉しいぞ!」
肩をバンバン叩いてくる
……え、
な、まさか、
そ、そんなまさかっ!?
よく見るとそこには
確かに面影がある!
「おいおい、忘れたのか?俺だ、ソリマチだよ」
忘れる訳がない。
そこにいたのは、
ゲーム内でボッチだった俺を拾ってくれた恩人であり
南インド商会・初代会長の
「ソリマチさ~~~~~~ん!!!!!!!!!!」
失ったはずの
かつての仲間であった
あうあう
(´;ω;`)




