第32話 ~ジェノバ~
みゃ~みゃ~
カモメがマストに止まって
暢気に鳴いている
海は広いな~大きいな~♪
青い空に蒼い海!!!!
空にはカモメ、横にはイルカの群れ♪
凪ぎな海でもオスマンガレーならスイスイ進む
ああ、俺は帰ってきた、
大海原よ!
私はまたここに帰ってきた!ヾ(*T▽T*)
私の心は、今の空のように震えている……
「あーーー!
海~が~好~き~~~~!!!!!!!」
ふぅ、
思わず叫んでしまった。
シンシアは呆れたように側で微笑んでいる
やはり海は良い
全ての雑念を忘れさせてくれる
そもそも船部品職人に
ピラミッド探索なんかさせないでほしいわw
俺の精神力は枯渇したよ!
そう呟きながら
船内で船部品を作ってます
遺跡で望遠鏡を沢山見つけたから
マストトップを作ろう
これ俺の精神安定剤ね★
ただいまアドリア海を抜けて
ジェノバに向けて航海中だ。
ジェノバにマストトップを持っていく依頼が
商会から来たからだ。
ロンドンに帰る途中だしね
ジェノバかー
むかし、
母を訪ねて三千院ってテレビアニメがあって
その主人公のマルゴーが出家した母親を探しに
一人で苦労しながら南米ペルーまで教会を訪ね歩く内容なんだけど、
これがまた泣ける!三回泣いた!若いひとは是非見て欲しいアニメだよ★
帆船スループも出てたし!萌えた!
宮咲速男監督の初期の名作だ。
その主人公マルゴーがジェノバっ子ということだ。
うん、どうでもいい情報ごめんなさいw
そんな妄想をしながら
船はジェノバに寄港する。
【イタリア ジェノバ】
「は~ここがジェノバか~!」
三人で港を離れ
南インド商会ジェノバ支店にマストトップを納品した。
「ダーノさんはジェノバ初めてでしたか★」
カンツオーネは屋体の焼き鳥を口にくわえながら歩いている。
食べ歩きは行儀悪いぞw
「あぁ、なかなか活気があって良い街だな」
オレンジ色の明るい煉瓦屋根が続き
まるで映画のワンシーンのような光景だ
ここから箒に股がって飛んでいきたいなw
「酒場前はもっと凄いわよ♪見に行く?」
そうなんだ!
「是非行ってみたいな!」
シンシアに誘導され
中心部にある酒場前に到着する。
「ここが、初心者海事上げの聖地、
ジェノバ名物ジェノバ学校!
通称ジェノスクよ!」
そこは、
あちこちにメンバー募集のプレートを持った若者達で溢れている
「こちら商用ピンネ2名@3人募集~!」
「大艦隊で途中ゴンサロ、ロドリゴ狩ります。@4人」
「ジェノスク募集、3連戦行く方ー @1 」
勧誘の声かけで大変賑やかであった。
凄い熱気だな
シンシアが教えてくれた
ジェノスクの内容はこうだ。
――――――――――――
まず3~5人でパーティー組んで
ジェノバでクエストを受け、
商用船襲撃計画を終えれば
チュニスの酒場で報告し、
海事ギルドにて新たに
迫りくる大艦隊を受ける。
―――――――――――――
ジェノバ←→チュニスをぐるぐる回す。
これの繰り返しをして熟練度を上げるのだそうだ。
ジェノスクで仲間になったメンバーは、
そこから意気投合して、
商会を立ち上げたり
部活の友達みたいになったり
ここで一生の友を得ることもあるそうだ。
「懐かしいなぁ★僕も昔ここで鍛えたんですよ……。
ダーノさん、
良かったら一度体験してみましょう!」
「え、まじで!?」
「そんなに急ぐ旅じゃないし、
海事の経験も必要でしょ。
私は宿にいるから。いってらっしゃい♪」
シンシアは足早に宿に戻る。
酒場前でカンツさんと二人考える
う~ん、
さて、どうしたもんか。
そこに……
「ジェノスク募集@2! 初心者歓迎よ~。
あら、そこのお兄さん良かったら一緒にやらない?」
レイブンジュストコートを着た
色っぽい女海賊が声をかけてくる
さて、どうしたもんか。




