第23話 ~オックスフォード大学~
クソッカス宮殿で発見された
黒い石板を解析すべく
地中海からリスボンを経て一路ロンドンを目指す。
オスマンガレーに乗り換えたら
風がなくても進むので思った以上に速かった
いや、これ速過ぎじゃない?
帆船追い抜かしまくりで他船が驚いてるよ
副官ドミンゴーの漕船指揮が優秀な証拠だなぁ
それに加えてカンツさんがいるからか
船員の動きが尋常じゃない
漕ぎ部屋から
怪しげな呪文が聴こえて怖いんだけど。
カンツさんいったい何をしたw
まぁお陰でスループで移動した時よりも
かなりの速度でロンドンに帰還できた。
[ イングランド ロンドン ]
ドミンゴーに船の手入れをお願いして
三人で馬車に乗り込み
オックスフォード大学へ向かう。
賑やかな街中を通り抜け、
郊外にある
閑静な町に到着
町中の真ん中にある巨大な建物が大学だ。
蔦の蔓がびっしりと覆い
分厚い石造りの壁面を左に見ながら荘厳な門が見えてきた。
馬車から降りて
シンシア先頭のもと
教授がいると教えられた教務室に向かう。
「教授、宜しいでしょうか?」
シンシアがノックする
「入りたまえ」
中に入ると資料の山の中から声がする
「教授、ただいま戻りました」
目の下にクマができるほどの疲れはてた教授が
一瞥すると、
顔色が途端に喜色満面に変わる
「おおお!よく戻った!!どうだった!?
なにか手掛かりになるような物は見つかったかね!?」
教授は立ち上がり
興奮してシンシアの肩を激しく揺らす
((( ;゜Д゜)))あわわわわ
「教授落ち着いてください。
これが神殿最深部にて見つかりました」
ダーノは鞄から黒い石板を取り出した
「おお!?これか!
非常に硬く黒いな、黒御影石か。ここらでは珍しいな」
石目も大変細かいため鏡のような光沢が出ている。
その硬さゆえに加工が難しいが保存に適す
「ふぅむ、これは預かって良いかね?
遺跡研究科総出で調べてみよう」
うむうむ、と頷きながら石板を調べる
「お願いします。
これでミッションクリアで宜しいでしょうか?」
「ああ、予想以上の成果だ!これは多目に渡そう」
教授から多目に報酬を頂く
「石板の内容が解り次第、屋敷に連絡を送ろう。
楽しみにしていたまえ。
あぁ、そうそう、
この実績をもってシンシア君には
大学内にある研究室が使えるように手配した。
一度、部屋を覗いてみたまえ」
研究室の利用方法と場所を聞いて
礼を述べ退室する
教務室から10分ほど離れた建物の中には
理科室の準備室のような部屋があり、
中には実験する際に用いるであろう
高炉と実験台、大きな坩堝があった。
これは思ったより
素晴らしい場所を用意してくれたようだ。
有から無へ無から有へ
この世の理を分析する最先端技術
変性錬金術の研究室とは!
「シンシア、
君は素晴らしい能力を持っているのだな」
シンシアは照れながら応える
「母はこの研究室にて
アトラントスへ向かう為の鍵を
変性錬金術で作ったことは調べがついています。
ただ、何を作ったのかは誰も知らなかった……
母の手掛かりになる物を探すため、
私は大学で錬金術の講義を受けていたのです」
そうだったのか……
「あの石板がヒントになればいいな」
大学構内の購買部で
フラスコやフイゴ、ビーカーなどを
購入し研究室に設置した。
あとは教授の連絡待ちか
いったん屋敷に戻ろう
賑やかしい構内を抜け
門前で馬車を捕まえ
南インド商会に向かう
カンツさんは今回空気でしたw




